Department of Animal Radiology, The University of Tokyo
東京大学大学院 農学生命科学研究科 放射線動物科学研究室

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研究テーマ Theme

放射線が生体に及ぼす影響の検討と放射線の治療・研究応用

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東日本大震災に伴う福島第一原発の事故により、原発を中心とした広い範囲に放射性物質が飛散してしまいました。飛散した放射性物質がヒトの健康や環境、周辺地域で生産される農畜産物の安全性に与える影響には、世界中から大きな注目が集まっています。不幸にも事故を起こしてしまった日本は、低線量の放射線による被ばくがヒト・動物の健康や環境、生産物の安全性に与える影響について、長期間にわたって科学的にモニタリングし、その結果を国民に、そして世界に発信していく責任があります。

原発事故が起きた後、旧警戒区域にはペットや家畜を含む多くの動物が取り残されました。ウシやブタといった家畜動物の多くは、ヒトの手によって安楽殺処分されるか、飢えによって死にました。その中で、自力で飢えをしのぎ生き延びたウシもいます。

原発事故後に旧警戒区域に取り残されたウシを事故後の調査に役立てて欲しいという畜産農家の思いを受け、東日本の大学の研究者を中心に研究チームが結成されました。当研究室も研究チームに参加し、低線量・長期の放射線の暴露が生体に及ぼす影響を動物科学的な見地から調査しています。

通常使用されるマウスなどの実験動物の寿命は2年前後と短いですが、ウシの寿命は10数年と長く、長期被ばくが生体に与える影響をモニタリングするには適しています。同様の調査はチェルノブイリで起きた原発事故の際には行われておらず、本研究は世界初の試みでもあります。

具体的な調査内容としては、旧警戒区域の農地とそこに取り残されたウシ(事故前・事故後に生まれたもの約180頭)を対象として、低線量放射線による被ばくが生体に与える影響と放射性物質の可食部位への移行、周辺環境に与える影響等を定期的に長期にわたって調査しています。

また、当教室は、放射線が生体に与える影響を対象とした「放射線動物科学」の講義や実習を担当するとともに、実験動物を対象としたCT撮影や放射線照射といった放射線を取り入れた研究技術の開発や応用を行っています。

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