Department of Animal Radiology, The University of Tokyo
東京大学大学院 農学生命科学研究科 放射線動物科学研究室

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研究テーマ Theme

がんの撲滅を目指して

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先天的・後天的な原因により遺伝子が傷つくと、細胞は無制限に増殖しはじめ、さらに血液循環にのって遠くの臓器にまで転移します。既存の抗がん剤の多くが、増殖速度の速い細胞を標的として殺すという作用機序を持っているため、消化管上皮や毛髪、骨髄の細胞といった増殖速度の速い正常細胞も死んでしまいます。これが抗がん剤の副作用の発生機序です。つまり、抗がん剤は副作用がどの程度あらわれ、いかに患者の体力が残っているかを見極めながら投与していきますから、これらの抗がん剤はすべての癌を殺しきることもできません。副作用がなく、がん特異的に効率よくその増殖を抑えられる薬は今でも見つかっておらず、多くの人がこの病気で苦しみ、亡くなっています。

これまでの研究で、がんの発生や血中循環は健常者でも観察される一方で、正常な炎症活性がこれを抑えており、発がんや転移(悪性化)は起こらないことが分かってきました。つまり、がんの悪性化は“宿主の炎症(免疫)活性の低下”に大きく依存しているのです。我々はがん細胞とそれを取り囲む血管や免疫細胞との相互作用に注目し、発がん・増殖・転移のメカニズム解明とそれを応用した新しい抗がん療法の開発を行っています。

具体的な研究内容の1つが血管新生抑制剤の開発です。胃がんや肺がん、皮膚がんなど、がんの9割を占める固形腫瘍は、急速に増殖していくために多くの酸素や栄養を必要とします。がんはこれらの栄養を、周囲の組織から新しく血管を伸ばすこと(血管新生)で得ようとします。我々はがんがどのように周囲の血管に働きかけてその性状を変化させて新生させるのか、伸ばした血管からどのように酸素や栄養を得ているのかなどを明らかにして、それを抑える分子の特定や治療応用に取り組んでいます。

もう1つが、免疫細胞療法の開発です。がんの種類にもよりますが、がん組織には多種多様のマクロファージや好中球、T細胞などの免疫細胞が浸潤してきます。もともとこれらの免疫細胞はがんを攻撃しにやってくるわけですが、がんは様々なサイトカインやケモカインを産生して、これらの免疫細胞を手なずけてその攻撃から逃れて増えていきます。我々は、がんがこれらの免疫細胞の性状をどのように変化させて利用しているのか、そのどこを変化させれば、がんを攻撃する免疫活性を呼び戻すことができるかについて、日々研究しています。

これらの研究により、がん細胞を標的とせず、血管や免疫活性を調節することでがんを撲滅させる、新しい治療法の開発につなげたいと思っています。動物レベルでの研究にとどまらず、医学部との共同研究も積極的に行いながら、つねに実用化を見据えた基礎研究を行っています。

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