Department of Animal Radiology, The University of Tokyo
東京大学大学院 農学生命科学研究科 放射線動物科学研究室

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研究テーマ Theme

血管内皮の機能解明と病態治療への応用

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全身をくまなく走行する血管は、酸素と栄養を供給することで、あらゆる臓器の恒常性(ホメオスタシス)を維持しています。毛細血管を合わせると成人でその全長は9~10万キロメートルにもなるといわれています。何かのきっかけでこの血管の正常機能が破綻すると、様々な病態の発症や悪化、組織障害が引き起こされます。

たとえば、上で記述したがんの他にリウマチが挙げられます。リウマチの病巣では体の中で異物とみされた自己抗原に対して、慢性的な炎症がおこっています。炎症による刺激は周囲の血管を漏れやすい状態にするだけでなく、病巣に新たな血管を引き寄せます。結果として、炎症細胞がどんどん組織へ浸潤して炎症はさらに悪化していきます。その他、肺炎や糖尿病性網膜症といった病態の悪化にも、血管の透過性や血管新生の異常亢進が深く関わることが分かっています。

我々はこれらそれぞれの病態において、どのようにして血管の透過性が亢進し、また新生していくのかを解明するとともに、その阻害方法を探索しようとしています。各病態で様々な炎症細胞からの刺激が血管を刺激し、その性状を変化させていくことが分かってきました。

一方で、がんやリウマチといった血管が異常に漏出・新生する疾患と違い、脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病性下肢壊死といった疾患では、血管が詰まって血流が途絶え(動脈硬化)、下流の組織が虚血に陥って死んでしまいます。これら組織が虚血状態に陥る疾患に対しては、血管透過性や血管新生を迅速に促進する方法を見つける必要があります。興味深いことに血管の新生を抑えるべき疾患もあれば、促進すべき疾患もあるわけです。

具体的な研究開発内容を少し説明します。我々の体の組織には、多くの血が流れる大きな血管と血管の間をつなぐように、細かな血管が走行しています。その一部は側副血行路と呼ばれ、普段はほとんど血液を流すことなく機能していません。大きな血管が動脈硬化によって詰まった時、近くに走行する別の血管からこの側副血行路を利用して、すぐに血液を供給できれば、組織が虚血になって死ぬのを回避することができます。使っていない既にある血管を効率よく利用できれば、より早い治療効果が期待できます。

我々は、つまった血管の周囲では何が起こり、どこを刺激、もしくは解除すれば側副血行路を効率よく増生することができるかを明らかにしようとしています。心筋梗塞や脳梗塞をはじめ、多くの方がこの閉塞性循環器障害と呼ばれる疾患で亡くなり、苦しんでいます。我々は、これらの疾患に対する画期的な治療薬の開発にも取り組んでいます。

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