臨床病理って何?

ビーグル

 あなたの前には病気に苦しむ動物がいます。 あなたはその動物を救いたいのですが、原因不明の難病のようです。 どんな病気であるのかすら分からないし、治療法も分かりません。 ありきたりの対症療法を施すか、あきらめて安楽死を選択するか。

 そもそも、この難病の動物と元気な動物はどこがどう違うのでしょうか?  どこがどう違うかが分かれば、過去のデータから似た病気を探して参照できます。 また、その違いが病気の原因なのか、それとも結果なのかを探究できます。

 病気の原因が分かれば治療できます。 病気の結果だということが分かるだけでも、病気の原因を探しやすくなります。 適切な治療を施せば、病気の動物と元気な動物の違いはどんどん小さくなるはずです。

 獣医臨床病理学は、病気の動物と元気な動物はどこがどう違うかを見つけようとする学問です。 それは、まず病気の動物を診察して苦悩するところから始まります。 そして、化学分析、物理学的分析、蛋白質・遺伝子解析、試験管内モデル化など、適切な手段を選んで研究を進めます。

 病気の原因が分かり、診断法を完成し、動物に治療を施し、病気が治ればひとつの研究が完成します。 完成できれば至福の喜びが得られます。完成できぬまま暗闇をさまようこともあります。 でも逃げるわけにはいきません。 なぜなら病気の動物はあなたを待っているし、原因不明の難病もまた無数に存在するからです。