小動物の腫瘍性疾患に対する化学療法がもたらす心血管系障害の詳細な解明


 抗がん剤を用いた化学療法は腫瘍性疾患に対する重要な治療法の一つですが、抗がん剤が様々なメカニズムから心血管系に障害をもたらし、これが長期予後に影響することが問題視されています。人医学領域ではこの問題点を解決するため「腫瘍循環器学」という新たな学問分野が設立されていますが、獣医学領域ではまだこの分野の研究は未発達なのが現状です。
 そのため、現在我々は様々なバイオマーカーや心臓超音波検査、さらにはマウスモデルを用いて、種々の抗がん剤がもたらす心血管系障害とその分子機構を探索しています。
 将来的には、新たなマーカーを用いた心血管系障害の予防/早期発見や有効な治療法の開発に至ることを目指しています。

 

心臓超音波検査の一つを表した図