研究室紹介 Introduction
研究室紹介
当研究室は東日本大震災後、低線量放射線による長期被曝が生体に与える影響を明らかにすることを目的に、平成25年5月に設立されました。研究室設立当初は、単独での運営に大きな希望と共に戸惑いもありましたが、中村達朗特任助教と前田真吾特任助教、学生の皆様のお力添えで今に至っております。現在の室員構成は、村田と中村特任助教、技術補佐員兼秘書1名、大学院生11名(博士3名、修士8名)、学部学生3名の計17名になります。(平成28年6月現在)学生メンバーは、応用動物科学専攻もしくは獣医学専攻のどちらかに籍を置いており、動物個体レベルの生理や病理の研究、比較的出口に近い基礎研究に興味を持った学生が多く集まっています。動物学を専門とする我々の使命であり強みの1つは、よりよい動物モデルを開発し、個体全体の表現型を徹底的に観察することにあると考えています。
メインとなる研究テーマは、「脂質メディエーターによる炎症制御機構の解明と治療応用」になります。対象としている疾患モデルは多く、肺炎、皮膚炎、腸炎、発癌、癌の増殖、転移、虚血性下肢壊死、心筋梗塞、食物アレルギー、喘息、関節リウマチです。節操なく見えてしまうかもしれませんが、標的としている分子は脂質メディエーターのみ、特にプロスタグランジンD2(PGD2)です。私が学生時代に研究対象としていた一酸化窒素NOは、周知のとおり中枢、免疫、循環それぞれに違った働きを持っております。生体は1つのメディエーターやシグナルを臓器ごとに上手く使い分けているのです。研究開始当時、PGD2は中枢において睡眠を誘発する物質として脚光を浴びていましたが、末梢におけるその生理作用は不明でした。そこで、その免疫や循環における役割に興味を持ったというのが、自身がこの研究を始めることとなったきっかけです。現在はオータコイドであるPG類を、疾患を含む生体反応の“場”を作るシグナルとしてとらえ、その病態生理作用を色々な疾患モデルを使い分けながら追いかけています。
これまでに、上記に挙げた多くの疾患モデルにおいて、PGD2が血管の透過性と新生を強力に抑制する分子であることを証明してきました。他の多くのPG類が炎症を促進する一方、PGD2は炎症を抑制する珍しいPGです。モデルによって機構の違いはありますが、PGD2シグナルの阻害が血管新生を促進し虚血性疾患に治療に応用できることを見出し、その機能を応用した薬の開発を進めています。さらに平成27年7月には、中村特任助教が食物アレルギーにおいて、PGD2が肥満細胞の浸潤をおさえるブレーキとして働くことを発見しました。本報告は食物アレルギー初の根本的な治療につながる発見として、マスコミでも広く取り上げていただきました。

古くから知られるPGですが、その生理活性は特徴的でかつ強く、その生理反応を丁寧に観察・解析していくことで多くの生理現象を説明でき、応用方法を見出せると私は信じています。
皆さんよくご存じの忠犬ハチ公は、東京帝国大学農学部教授の上野英三郎博士の飼い犬でした。その縁ありまして、昨年に農学部正門横に上野英三郎博士とハチ公像が建造され、ささやかな観光名所になっております。東京大学へお越しの際は是非農学部・当研究室へも立ち寄っていただければと思います。
アルバム
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OB会写真掲載
OB会写真掲載
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令和6年
令和6年ゼミ旅行
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令和6年
令和6年ゼミ旅行
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令和6年
令和6年ゼミ旅行
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令和5年
令和5年度修了式
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令和5年
令和5年度卒業式
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令和5年
令和5年 リクリエーション
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令和5年
令和5年 ゼミ旅行
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令和5年
令和5年OB会
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令和4年
令和4年
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令和3年
卒業式の集合写真
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令和2年3月23日
卒業式の集合写真
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令和元年12月某日
教室忘年会の集合写真。
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平成30年12月11日
教室忘年会の集合写真。
平成30年12月11日
教室忘年会の集合写真。
平成30年3月26日
追いコンの際の集合写真。
平成29年4月12日
新入生歓迎会の様子。
平成29年3月23日
学部卒業式後の全体写真。
平成28年3月25日
学部卒業式後の全体写真。
平成27年5月20日
専攻内ソフトボール大会の様子(3位入賞)。
平成26年9月19日
大学院入試合格と進路決定、誕生日のお祝いをしました。(東京駅近辺にて)今後の皆さんの活躍に期待します。
平成25年5月16日
研究室開設。協力してくれている獣医薬理所属の学生さんを含めて写真撮影。頑張ります。(獣医薬理ゼミ部屋にて)