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新着情報

2023.03.31

本研究室の研究成果:ゲノム編集を利用した骨格筋病態モデルラット作出に関するプロトコールを発表しました。

2023.03.29

技術補佐員の伊藤恵さんが退職しました。

2023.03.24

福住奈央子さん、ラーリック寿里晏さん、高篠颯太さんが獣医学専修を卒業しました。

2023.03.17

当教室卒業生の平澤みちる先生にセミナーでご講演いただきました。

2022.11.14

中鎖トリグリセリドを含むケトン食はデュシェンヌ型筋ジストロフィーモデルラット骨格筋におけるトランスクリプトームの撹乱を改善することを報告しました。

2022.10.25

本研究室の研究成果:デュシェンヌ型筋ジストロフィーモデル齧歯類への筋芽細胞および脂肪由来間葉系幹細胞の子宮内移植は生着せず、しばしば胎子死亡に至ることを報告しました。

2022.10.19

本研究室の研究成果:筋ジストロフィーモデルラットの舌は病態進行が遅く巨舌を呈することがわかりました。

2022.07.08

本研究室の研究成果:筋ジストロフィーモデルラットに中鎖トリグリセリド含有ケトン食を与えると心病態が悪化することがわかりました。

2022.04.01

山内先生が教授に着任されました。

2022.03.31

池田優成君が2022年度笹川科学研究助成(学術研究部門)に採用されました。

2022.03.25

山口陸君が、獣医学専修を卒業しました。

2022.02.04

黒田万智さんが、博士(獣医学)の学位を取得しました。

2021.11.30

当教室博士課程修了生の杉原英俊君の論文がUEDA Heart Awards for 2021を受賞しました。

2021.08.21

張育薇(CHANG Yu-Wei)さんが、博士(獣医学)の学位を取得しました。

2021.08.25

当研究室と産総研との共同研究成果がプレスリリースされました。「ケトン食で筋ジストロフィーモデルラットの病態を改善 中鎖トリグリセリドを含むケトン食により筋力低下を抑制することに成功 」

2021.08.21

本研究室の研究成果:筋ジストロフィーモデルラットに血中ケトン体を上昇させるようなある種の餌を与えると病態が改善することがわかりました。

2021.07.20

本研究室の研究成果:細胞老化因子p16を欠損したデュシェンヌ型筋ジストロフィーモデルラットでは加齢に伴い横紋筋肉腫が高頻度で発生することを見つけました。

2021.05.20

本研究室の研究成果:筋細胞のMyoDの発現を抑制すると、共存する間葉系前駆細胞が自発的に脂肪分化することを見つけました。

2021.03.10

当研究室の池田優成君(獣医学専修6年)が、(公社)日本畜産学会優秀学生賞を受賞しました。

2020.12.09

当研究室の張育薇さん(獣医学専攻博士4年)が、NTU-UTokyo Veterinary Medicine Online Symposium 2020 で優秀発表賞を受賞しました。

2020.11.28

本研究室の研究成果:デュシェンヌ型筋ジストロフィーモデルラットにおける心機能をエコーにより評価しました。

2020.10.26

当研究室の研究成果が日本経済新聞に取り上げられました。

2020.10.09

当研究室の杉原英俊君(獣医学専攻博士4年)が第163回日本獣医学会学術集会生理学・生化学分科会奨励賞を受賞しました。

2020.10.01

本研究室の研究成果:細胞老化によりデュシェンヌ型筋ジストロフィーの病態が悪化することを発見しました。

2020.9.01

卒業生の近江早苗さんの論文が2019年JVMS優秀論文賞に選出されました。

2020.8.28

本研究室の研究成果:世界初のヒトベッカー型筋ジストロフィー(BMD)モデル動物を作製しました。

2019.4.2

プログラニュリンに関する本が出版されました。

新着情報

  • 2023.03.31

    本研究室の研究成果:ゲノム編集を利用した骨格筋病態モデルラット作出に関するプロトコールを発表しました。



    Nakamura K, Tanaka T, Yamanouchi K. In Vivo Modeling of Skeletal Muscle Diseases Using the CRISPR/Cas9 System in Rats. Methods Mol Biol. 2640: 277-285 (2023) doi: 10.1007/978-1-0716-3036-5_20. PMID: 36995602.

  • 2023.03.29

    技術補佐員の伊藤恵さんが退職しました。



    9ヶ月という短い間でしたが、お世話になりました!伊藤さんからは日本酒「山猿」をいただきました。ご家族に深い縁がおありとのことです。後ほど皆で試させていただきましたが、美味!
  • 2023.03.24

    福住奈央子さん、ラーリック寿里晏さん、高篠颯太さんが獣医学専修を卒業しました。



    福住さん、高篠さんは就職、ラーリックさんは大学院へと進学されます。おめでとうございます!
  • 2023.03.17

    当教室卒業生の平澤みちる先生にセミナーでご講演いただきました。



    平澤先生(カナダ Memorial University of Newfoundland教授)にご講演いただきました。講演後は先生を囲んで、研究室の昔話や研究への取り組み方、卒業後の人生相談など多岐に渡るお話を伺いました。先輩、ありがとうございました!
  • 2022.11.14

    本研究室の研究成果:中鎖トリグリセリドを含むケトン食はデュシェンヌ型筋ジストロフィーモデルラット骨格筋におけるトランスクリプトームの撹乱を改善することを報告しました。


    当教室と産業総合研究所との共同研究による成果です。
    Yuri Fujikura, Keitaro Yamanouchi, Hidetoshi Sugihara, Masaki Hatakeyama, Tomoki Abe, Satoru Ato, Katsutaka Oishi. Ketogenic diet containing medium-chain triglyceride ameliorates transcriptome disruption in skeletal muscles of rat models of duchenne muscular dystrophy. Biochemistry and Biophysics Reports 32: 101378 (2022)

  • 2022.10.25

    本研究室の研究成果:デュシェンヌ型筋ジストロフィーモデル齧歯類への筋芽細胞および脂肪由来間葉系幹細胞の子宮内移植は生着せず、しばしば胎子死亡に至ることを報告しました。


    当教室と東京女子医科大学小児科他との共同研究による成果です。
    Yuki Kihara, Yukie Tanaka, Masanari Ikeda, Jun Homma, Ryo Takagi, Keiko Ishigaki, Keitaro Yamanouchi, Hiroaki Honda, Satoru Nagata, Masayuki Yamato. In utero transplantation of myoblasts and adipose-derived mesenchymal stem cells to murine models of Duchenne muscular dystrophy does not lead to engraftment and frequently results in fetal death. Regenerative Therapy 21: 486-493 (2022)

  • 2022.10.19

    本研究室の研究成果:筋ジストロフィーモデルラットの舌は病態進行が遅く巨舌を呈することがわかりました。


    筋ジストロフィーモデルラットの舌は病態進行が遅く、巨舌を呈することを見出しました。このラットの舌では筋線維の肥大が生じる一方、壊死や再生像はほとんどみられませんでした。また筋衛星細胞の増殖能も比較的よく保たれていました。
    当教室と獣医学専攻獣医病理学教室、応用動物科学専攻・動物細胞制御学教室との共同研究による成果です。
    Keitaro Yamanouchi, Yukie Tanaka, Masanari Ikeda, Shizuka Kato, Ryosuke Okino, Hiroki Nishi, Fumihiko Hakuno, Shin-Ichiro Takahashi, James Chambers, Takashi Matsuwaki, Kazuyuki Uchida. Macroglossia and less advanced dystrophic change in the tongue muscle of the Duchenne muscular dystrophy rat. Skeletal Muscle volume 12, Article number: 24 (2022)

  • 2022.07.08

    本研究室の研究成果:筋ジストロフィーモデルラットに中鎖トリグリセリド含有ケトン食を与えると心病態が悪化することがわかりました。


    筋ジストロフィーモデルラットに中鎖トリグリセリド含有ケトン食を与えると骨格筋機能と病態を改善することを以前報告しました。ところが同じ餌を与えた場合の心機能はむしろ悪化することを見出しました。
    当研究室と産総研、東京大学医学部循環器内科との共同研究による成果です。
    Fujikura Y, Kimura K, Yamanouchi K, Sugihara H, Hatakeyama M, Zhuang H, Abe T, Daimon M, Morita H, Komuro I, Oishi K. A medium-chain triglyceride containing ketogenic diet exacerbates cardiomyopathy in a CRISPR/Cas9 gene-edited rat model with Duchenne muscular dystrophy. Sci Rep 12: 11580 (2022). doi: 10.1038/s41598-022-15934-9.

  • 2022.04.01

    山内啓太郎先生が、平成4年4月1日付で当室の教授に着任されました。



    獣医生理学教室、新体制でスタートしました!
  • 2022.02.04

    博士課程の池田優成君が2022年度笹川科学研究助成(学術研究部門)に採用されました。


     研究課題名は「筋線維に細胞老化が誘導される生理学的意義」です。
  • 2022.02.04

    当研究室の山口陸君が、獣医学専修を卒業しました。



    学位論文の題名は「再生骨格筋の血管新生におけるコンドロイチン硫酸プロテオグリカン4の役割の解明」です。
  • 2022.02.04

    当研究室の黒田万智さんが、博士(獣医学)の学位を取得しました。


     学位論文の題名は「脳内液性因子による神経興奮性制御機構に関する研究」です。
  • 2021.08.21

    当教室博士課程修了生の杉原英俊君の論文がUEDA Heart Awards for 2021を受賞しました。


     2021年3月に当教室博士課程を修了した杉原英俊君の論文「Age-Dependent Echocardiographic and Pathologic Findings in a Rat Model with Duchenne Muscular Dystrophy Generated by CRISPR/Cas9 Genome Editing. Int Heart J 2020; 61 (6): 1279-1284」がUEDA Heart Awards for 2021の1st placeに選ばれました。International Heart Journalでは、若手研究者への研究支援の一環として、1979年より、過去1年間に掲載された論文の中から、最優秀論文を選定し、「Ueda Heart Award」を授与しています。
  • 2021.10.09

    当研究室の張育薇(CHANG Yu-Wei)さん(獣医学専攻博士4年)が、博士(獣医学)の学位を取得しました。



    学位論文の題名は「Establishment of a diagnostic method for premenstrual dysphoric disorder using machine learning algorithms and hippocampal factors in rats(機械学習を用いたラット海馬での発現遺伝子を指標とする月経前不快気分障害の診断法の確立)です。
  • 2021.08.25

    当研究室と産総研との共同研究成果がプレスリリースされました。「ケトン食で筋ジストロフィーモデルラットの病態を改善 中鎖トリグリセリドを含むケトン食により筋力低下を抑制することに成功 」


     国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 石村 和彦】(以下「産総研」という)細胞分子工学研究部門【研究部門長 宮崎 歴】食健康機能研究グループ 藤倉(橋本) 祐里 研究員、大石 勝隆 研究グループ長と、国立大学法人 東京大学【総長 藤井 輝夫】(以下「東大」という)大学院農学生命科学研究科 山内 啓太郎 准教授、博士課程学生 杉原 英俊(研究当時)、株式会社 みやぎヘルスイノベーション【代表取締役 畠山 昌樹】は、中鎖トリグリセリドを含むケトン食を摂取させることにより、デュシェンヌ型筋ジストロフィーモデルラットの病態が改善することを発見した。
    産総研などの研究グループは、中鎖トリグリセリドを含むケトン食(以下「ケトン食」という)をヒトのデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)と同じくジストロフィン遺伝子に変異を持つDMDモデルラットに摂取させ、骨格筋の萎縮や筋力低下に対して改善効果があることを明らかにした。ケトン食は、DMDモデルラットにおける筋の壊死や線維化を抑制するだけでなく、筋衛星細胞による再生を促進することで、病態を改善した。この研究で得られた知見から、DMDの新たな治療法の開発や病態進行メカニズムの解明が進むと期待される。なお、この成果の詳細は、米国の学術誌「FASEB Journal」で2021年8月20日(米国東部標準時間)にオンラインで発表された。

  • 2021.08.21

    本研究室の研究成果:筋ジストロフィーモデルラットに血中ケトン体を上昇させるようなある種の餌を与えると病態が改善することがわかりました。


     筋ジストロフィーモデルラットに血中ケトン体を上昇させるようなある種の餌を与えると病態が改善することがわかりました。当研究室出身の杉原秀俊君と産総研との共同研究による成果です。
    Fujikura Y, Sugihara H, Hatakeyama M, Oishi K, Yamanouchi K. Ketogenic diet with medium-chain triglycerides restores skeletal muscle function and pathology in a rat model of Duchenne muscular dystrophy. FASEB J 35: e21861 (2021) doi: 10.1096/fj.202100629R.

  • 2021.07.20

    本研究室の研究成果:細胞老化因子p16を欠損したデュシェンヌ型筋ジストロフィーモデルラットでは加齢に伴い横紋筋肉腫が高頻度で発生することを見つけました。


     DMD(デュシェンヌ型筋ジストロフィー)のモデルラット筋肉ではp16遺伝子の発現亢進による細胞老化が生じており、この遺伝子を欠損させることで病態が改善したことから、『細胞老化』という現象がDMDの新たな治療戦略の標的となることを昨年示しました(Sugihara et al., 2020)。
    一方,p16遺伝子の欠損はがん化を誘導する可能性があり、予想通り、p16遺伝子を欠損したDMDラットでは加齢とともに腫瘍を発生する個体が見られました。
    不思議なことに、発生した腫瘍は全てが横紋筋肉腫(Rhabdomyosarcoma; RMS)で、p16欠損しただけのラットやDMDラットではRMS出現は全くみられませんでした。
    今回の研究成果は難病である横紋筋肉腫の発症機序にヒントを与えてくれるものと期待しています。
    Teramoto N, Ikeda M, Sugihara H, Shiga T, Matsuwaki T, Nishihara M, Uchida K, Yamanouchi K. Loss of p16/Ink4a drives high frequency of rhabdomyosarcoma in a rat model of Duchenne muscular dystrophy. J Vet Med Sci 83: 1416 (2021) doi: 10.1292/jvms.21-0243.

  • 2021.05.20

    本研究室の研究成果:筋細胞のMyoDの発現を抑制すると、共存する間葉系前駆細胞が自発的に脂肪分化することを見つけました。


     Yamanouchi K, Nakamura K, Takeuchi S, Hosoyama T, Matsuwaki T, Nishihara M. Suppression of MyoD induces spontaneous adipogenesis in skeletal muscle progenitor cell culture. Anim Sci J 92 : e13573 (2021). doi:10.1111/asj.13573.
  • 2021.03.10

    当研究室の池田優成君(獣医学専修6年)が、(公社)日本畜産学会優秀学生賞を受賞しました。


     (公社)日本畜産学会優秀学生賞は、今年3月の学部卒業生で大学院進学が決定しており、今後畜産学会大会で発表するなどの活躍が期待できる学生で、畜産関連の学部を有する各大学より1名ずつが選ばれます。
  • 2020.12.09

    当研究室の張育薇(CHANG Yu-Wei)さん(獣医学専攻博士4年)が、NTU-UTokyo Veterinary Medicine Online Symposium 2020 で優秀発表賞を受賞しました。


           
     12月9日に当学獣医学専攻と国立台湾大学獣医学部の合同で開催されたオンラインシンポジウムのStudent presentation competitionで、 張育薇さんが優秀発表賞を受賞しました。発表タイトルは「Establishment of a new animal model of premenstrual dysphoric disorder using unsupervised machine learning algorithm」です。
  • 2020.11.28

    本研究室の研究成果:デュシェンヌ型筋ジストロフィーモデルラットにおける心機能をエコーにより評価しました。


     デュシェンヌ型筋ジストロフィーモデルラットにおける心機能をエコーにより評価しました。当研究室と東大医学部循環器内科および医科研による共同研究の成果です。 Sugihara H, Kimura K, Yamanouchi K, Teramoto N, Okano T, Daimon M, Morita H, Takenaka K, Shiga T, Tanihata J, Aoki Y, Inoue-Nagamura T, Yotsuyanagi H, Komuro I. Age-Dependent Echocardiographic and Pathologic Findings in a Rat Model with Duchenne Muscular Dystrophy Generated by CRISPR/Cas9 Genome Editing. Int Heart J 61: 1279 (2020) doi: 10.1536/ihj.20-372.
  • 2020.10.26

    当研究室の研究成果が日本経済新聞で取り上げられました。


                                             詳細はこちら>>>
  • 2020.10.09

    当研究室の杉原英俊君(獣医学専攻博士4年)が第163回日本獣医学会学術集会生理学・生化学分科会奨励賞を受賞しました。


     9月14日から30日に行われた第163回日本獣医学会学術集会(オンライン開催)にて、獣医学専攻博士4年の杉原英俊君が生理学・生化学分科会奨励賞を受賞しました。発表タイトルは「細胞老化によるデュシェンヌ型筋ジストロフィー病態悪化機構の解明」です。
  • 2020.10.01

    本研究室の研究成果:細胞老化によりデュシェンヌ型筋ジストロフィーの病態が悪化することを発見しました。


     当研究室の杉原英俊大学院生、寺本奈保美大学院生、山内啓太郎准教授らの研究グループは、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の病態悪化に細胞老化という現象が関与することを世界で初めて見出しました。細胞は分裂を繰り返すうちにやがて分裂限界に達し、p16などの細胞分裂抑制因子を発現することで分裂を停止することが知られています。この現象を細胞老化といいます。近年では、細胞老化は、分裂を繰り返す以外に、炎症などのストレス環境にさらされることによっても誘導されることが明らかになってきました。DMDはX染色体上に存在するジストロフィン遺伝子のout-of-frame変異により引き起こされる遺伝性の難病で、筋肉の持続的な損傷や炎症を特徴とします。研究グループは、2014年にジストロフィン遺伝子にout-of-frame変異をもつ筋ジストロフィーモデルラット(DMDラット)を独自に開発しました。今回、同グループは持続的な炎症が見られるDMDラットの筋肉では、病態悪化とともにp16の発現が増加し、細胞老化が誘導されていることを明らかにしました。細胞老化を抑制するために遺伝学的な手法を用いてp16を欠損させたところ、体重・筋力の改善や、DMDに特徴的な筋肉の線維化や脂肪化の減少など、全身的な病態の改善が見られました。さらに、研究グループは老化細胞を特異的に除去できる薬剤ABT263に着目しました。DMDラットにABT263を投与したところ、老化細胞数が減少し、病態悪化に伴ってみられる体重減少や筋力低下が抑制されました。  最後に、研究グループはヒトDMD患者の筋肉においても、p16などの細胞老化に関連する因子の発現が上昇していることを見出しました。この結果は、ヒトDMD患者でもDMDラットと同様に細胞老化が病態悪化に関与する可能性を示しており、本研究成果はDMDの病態進行機序の解明や、治療法開発に貢献することが期待されます。
  • 2020.09.01

    卒業生の近江早苗さんの論文が2019年JVMS優秀論文賞に選出されました。

     当教室卒業生、近江早苗さんの論文が日本獣医学会の英文機関誌 Journal of Veterinary Medical Science (JVMS)の2019年優秀論文賞(基礎獣医学分野)に選出されました。
    Omi S, Yamanouchi K, Nakamura K, Matsuwaki T, Nishihara M.
    “Reduced fibrillar collagen accumulation in skeletal muscle of secreted protein acidic and rich in cysteine (SPARC)-null mice.”
    J Vet Med Sci 81: 1649-1654 (2019)
  • 2020.08.28

    本研究室の研究成果:世界初のヒトベッカー型筋ジストロフィー(BMD)モデル動物を作製しました。

     当研究室の寺本奈保美大学院生、杉原英俊大学院生、山内啓太郎准教授らの研究グループは、ジストロフィン遺伝子にin-frame変異をもち、短縮型のジストロフィンタンパク質を作るラット(BMDラット)の作製と系統化に世界で初めて成功しました。  X染色体型筋ジストロフィーはX染色体上に存在するジストロフィン遺伝子の変異により引き起こされる遺伝性のヒト筋原生疾患で、筋肉の持続的な損傷を特徴とします。X染色体型筋ジストロフィーには、ジストロフィンタンパク質が全く作られないデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)と短縮型のジストロフィンタンパク質が作られるベッカー型筋ジストロフィー(BMD)があり、BMDでは不完全ながらもジストロフィンタンパク質が存在するためDMDに比べて一般的に病態は軽度とされています。しかし、作られる短縮型ジストロフィンタンパク質の構造や量によってDMDとほぼ同等の重篤な症状を示す場合もあります。BMDの筋肉に存在する短縮型ジストロフィンタンパク質を観察すると“patchy and faint(まだらで弱い)”とよばれる特徴的な分布を示すことが知られています。このような短縮型ジストロフィンタンパク質の分布の変化や量の減少がBMDの病態に関わると考えられてきましたが、その検証に利用できるようなモデル動物はこれまでに存在しませんでした。  BMDラットでは、研究グループが過去に報告したDMDラットに比べ病態の進行が軽度であるとともに、筋肉で作られている短縮型ジストロフィンタンパク質の分布はまだら(patchy)で、その量も正常ラットの約10%程度にまで減少(faint)していました。このことから、BMDの病態進行機序解明や治療法開発のうえで非常に優れたモデル動物となることが期待されます。

  • 2019.04.02

    プログラニュリンに関する本が出版されました。

      当研究室の西原教授や松脇助教も編著者として参画している図書“Progranulin and Central Nervous System Disorders”がSpringer社より出版されました。Progranulinは当研究室で脳の性分化や神経新生など性ステロイドの中枢作用を仲介する因子として同定されたタンパク質で、現在ではその遺伝子変異が神経変性疾患やリソソーム病などの様々な病態にも関与することが明らかになっています。本書ではProgranulinについて、その構造や機能に関する生物学的な側面から疾患との関係、さらには治療薬としての可能性など、多角的な観点から解説されています。ご興味のある方は是非ご一読ください。


東京大学農学部獣医生理学教室

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