研究トピックス
当研究室の研究成果が日本経済新聞に取り上げられました。
- 2020.10.09
- 2020.10.01
- 2020.9.01
- 2020.8.28
- 2019.4.2
- 2016.11.01
- 2014.07.31
- 2014.07.10
- 2013.12.17
- 2013.10.16
- 2013.09.10
- 2013.01.08
当研究室の杉原英俊君(獣医学専攻博士4年)が第163回日本獣医学会学術集会生理学・生化学分科会奨励賞を受賞しました。



9月14日から30日に行われた第163回日本獣医学会学術集会(オンライン開催)にて、獣医学専攻博士4年の杉原英俊君が生理学・生化学分科会奨励賞を受賞しました。発表タイトルは「細胞老化によるデュシェンヌ型筋ジストロフィー病態悪化機構の解明」です。
本研究室の研究成果:細胞老化によりデュシェンヌ型筋ジストロフィーの病態が悪化することを発見しました。
当研究室の杉原英俊大学院生、寺本奈保美大学院生、山内啓太郎准教授らの研究グループは、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の病態悪化に細胞老化という現象が関与することを世界で初めて見出しました。細胞は分裂を繰り返すうちにやがて分裂限界に達し、p16などの細胞分裂抑制因子を発現することで分裂を停止することが知られています。この現象を細胞老化といいます。近年では、細胞老化は、分裂を繰り返す以外に、炎症などのストレス環境にさらされることによっても誘導されることが明らかになってきました。DMDはX染色体上に存在するジストロフィン遺伝子のout-of-frame変異により引き起こされる遺伝性の難病で、筋肉の持続的な損傷や炎症を特徴とします。研究グループは、2014年にジストロフィン遺伝子にout-of-frame変異をもつ筋ジストロフィーモデルラット(DMDラット)を独自に開発しました。今回、同グループは持続的な炎症が見られるDMDラットの筋肉では、病態悪化とともにp16の発現が増加し、細胞老化が誘導されていることを明らかにしました。細胞老化を抑制するために遺伝学的な手法を用いてp16を欠損させたところ、体重・筋力の改善や、DMDに特徴的な筋肉の線維化や脂肪化の減少など、全身的な病態の改善が見られました。さらに、研究グループは老化細胞を特異的に除去できる薬剤ABT263に着目しました。DMDラットにABT263を投与したところ、老化細胞数が減少し、病態悪化に伴ってみられる体重減少や筋力低下が抑制されました。 最後に、研究グループはヒトDMD患者の筋肉においても、p16などの細胞老化に関連する因子の発現が上昇していることを見出しました。この結果は、ヒトDMD患者でもDMDラットと同様に細胞老化が病態悪化に関与する可能性を示しており、本研究成果はDMDの病態進行機序の解明や、治療法開発に貢献することが期待されます。
卒業生の近江早苗さんの論文が2019年JVMS優秀論文賞に選出されました。
当教室卒業生、近江早苗さんの論文が日本獣医学会の英文機関誌 Journal of Veterinary Medical Science (JVMS)の2019年優秀論文賞(基礎獣医学分野)に選出されました。
Omi S, Yamanouchi K, Nakamura K, Matsuwaki T, Nishihara M.
“Reduced fibrillar collagen accumulation in skeletal muscle of secreted protein acidic and rich in cysteine (SPARC)-null mice.”
J Vet Med Sci 81: 1649-1654 (2019)
本研究室の研究成果:世界初のヒトベッカー型筋ジストロフィー(BMD)モデル動物を作製しました。

当研究室の寺本奈保美大学院生、杉原英俊大学院生、山内啓太郎准教授らの研究グループは、ジストロフィン遺伝子にin-frame変異をもち、短縮型のジストロフィンタンパク質を作るラット(BMDラット)の作製と系統化に世界で初めて成功しました。 X染色体型筋ジストロフィーはX染色体上に存在するジストロフィン遺伝子の変異により引き起こされる遺伝性のヒト筋原生疾患で、筋肉の持続的な損傷を特徴とします。X染色体型筋ジストロフィーには、ジストロフィンタンパク質が全く作られないデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)と短縮型のジストロフィンタンパク質が作られるベッカー型筋ジストロフィー(BMD)があり、BMDでは不完全ながらもジストロフィンタンパク質が存在するためDMDに比べて一般的に病態は軽度とされています。しかし、作られる短縮型ジストロフィンタンパク質の構造や量によってDMDとほぼ同等の重篤な症状を示す場合もあります。BMDの筋肉に存在する短縮型ジストロフィンタンパク質を観察すると“patchy and faint(まだらで弱い)”とよばれる特徴的な分布を示すことが知られています。このような短縮型ジストロフィンタンパク質の分布の変化や量の減少がBMDの病態に関わると考えられてきましたが、その検証に利用できるようなモデル動物はこれまでに存在しませんでした。 BMDラットでは、研究グループが過去に報告したDMDラットに比べ病態の進行が軽度であるとともに、筋肉で作られている短縮型ジストロフィンタンパク質の分布はまだら(patchy)で、その量も正常ラットの約10%程度にまで減少(faint)していました。このことから、BMDの病態進行機序解明や治療法開発のうえで非常に優れたモデル動物となることが期待されます。
プログラニュリンに関する本が出版されました。

当研究室の西原教授や松脇助教も編著者として参画している図書“Progranulin and Central Nervous System Disorders”がSpringer社より出版されました。Progranulinは当研究室で脳の性分化や神経新生など性ステロイドの中枢作用を仲介する因子として同定されたタンパク質で、現在ではその遺伝子変異が神経変性疾患やリソソーム病などの様々な病態にも関与することが明らかになっています。本書ではProgranulinについて、その構造や機能に関する生物学的な側面から疾患との関係、さらには治療薬としての可能性など、多角的な観点から解説されています。ご興味のある方は是非ご一読ください。
第2回プログラニュリン研究会を開催します。
FASEB Summer Research Conference "Skeletal Muscle Satellite and Stem Cells"で、中村克行君(獣医学専攻博士4年)がOutstanding Poster Awardを受賞しました。
筋ジストロフィーの症状を再現したラットを作製 - 筋ジストロフィー研究に新たなモデル動物 -

東京大学大学院農学生命科学研究科の中村克行大学院生、藤井渉助教、山内啓太郎准教授、西原真杉教授らの研究グループは、新規遺伝子改変技術であるCRISPR/Cas法(注1)を用いて、ジストロフィン遺伝子に変異をもつラット(ジストロフィン遺伝子変異ラット)の作製に世界で初めて成功しました。
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD、注2)はX染色体上に存在するジストロフィン遺伝子の変異により引き起こされる遺伝性疾患で、新生男児約3500人に一人の割合で発症します。DMDでは筋組織の脆弱化の進行とともに筋力が低下し、運動不全や呼吸器機能低下、心不全といった重篤な症状を示します。これまでDMDを患ったマウスやイヌ(DMDモデルマウス、DMDモデルイヌ)が主にDMDの治療法を開発する研究に用いられてきました。しかし、DMDモデルマウスは繁殖・維持が容易であるものの症状がヒトのDMDに比べて軽度である一方、DMDモデルイヌはヒトのDMDに類似した重篤な症状を示すものの、繁殖・維持に多大な労力を要することがそれぞれ課題となっていました。
今回作製されたジストロフィン遺伝子変異ラットではジストロフィンタンパク質が消失しており、筋力低下とともに筋肉における筋線維の壊死、筋線維の再生像や横隔膜における変性像が確認できました。また、これまでDMDモデルマウスでは顕著でなかった心臓の変性も認められました。これらの病態はいずれもヒトDMDに極めて類似したものであることから、ジストロフィン遺伝子変異ラットは、今後DMDの治療法を開発する上での研究に非常に有用なモデル動物となることが期待されます。
小松田麦子さん(獣医学専攻博士1年)がEURAXESS Voice of the Researchers' Conferenceに参加しました。
Science Slam Japan 2013の最終コンペティションで小松田麦子さん(獣医学専攻博士1年)が優勝しました。
日本畜産学会第117回大会で中村克行君(獣医学専攻博士3年)が優秀発表賞を受賞しました。
プログラニュリンは脳内炎症反応を軽減するー認知症原因遺伝子の一つであるプログラニュリンの役割を解明

東京大学大学院農学生命科学研究科獣医学専攻の田中良法特別研究員、西原眞杉教授らの研究グループは、マウスを用いた実験的脳傷害モデルによりプログラニュリンの炎症反応における役割を調べました。プログラニュリンは、近年、人ではその遺伝子変異が前頭側頭葉変性症等の神経変性疾患の原因となることが明らかとなり、認知症の発症との関連が着目されているタンパク質です。今回の研究により、プログラニュリンは脳傷害部位に集積する活性化ミクログリアに発現し、ミクログリア自身の過剰な活性化を抑制して炎症反応を軽減することが明らかになりました。プログラニュリンの持つこのような神経保護作用が、神経変性の抑制にも関連している可能性が考えられます。
獣医生理学ニュース
更新履歴
- 2020.09.01
- 研究業績を更新しました。
- 2020.08.28
- 研究トピックスを更新しました。
- 2019.04.02
- 研究トピックスを更新しました。
- 2018.05.19
- メンバー紹介を更新しました。
- 2018.05.19
- 研究業績を更新しました。
- 2017.04.06
- 研究トピックスを更新しました。
- 2016.11.01
- 研究トピックスを更新しました。
- 2016.06.03
- メンバー紹介を更新しました。
- 2016.06.03
- 研究業績を更新しました。
- 2015.04.30
- メンバー紹介を更新しました。
- 2015.04.30
- 卒業式・学位記授与式写真を更新しました。
- 2014.07.31
- 研究トピックスを更新致しました。
- 2014.07.17
- 研究業績を更新しました。
- 2014.07.10
- 研究トピックスを更新しました。
- 2014.05.12
- 同窓会を更新しました。
- 2014.05.01
- メンバー紹介を更新致しました。
- 2014.04.16
- 研究業績を更新致しました。
- 2014.04.10
- メンバー紹介を更新致しました。
- 2014.04.10
- 獣医生理学ニュースを更新致しました。
- 2014.03.26
- 卒業式・学位記授与式写真を更新致しました。