東京大学附属動物医療センター
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臨床試験について

本院で行っている、もしくは行う予定の臨床試験についてです。臨床試験とは、安全で有効となりうることが期待される医薬品もしくは医療機器を用いた治療です。 飼い主様への十分な説明と、飼い主様の同意の下で実施します。現在実施している臨床試験は以下の通りです。

  • 犬の組織球性肉腫に対する治療試験
  •  組織球性肉腫は犬においてまれに発生する極めて悪性の腫瘍です。その治療法として多くの場合抗癌剤による治療が選択されます。 組織球性肉腫に対する抗癌剤の第一選択としてロムスチンが使用されますが、その反応率は46%と報告されており、 また効果を示した症例においても早期に耐性が獲得されることが知られています。そのため本疾患に対する新規治療法の確立が急務となっています。

     これまでの私たちの研究成果から、犬の組織球性肉腫に由来する細胞株はある抗癌剤に対する感受性が高いことが明らかとなり、 この薬剤が犬の組織球性肉腫に対する新規治療法となる可能性が示されています。そこで、東京大学附属動物医療センター血液・ 腫瘍内科では、組織球性肉腫の犬に対するこの薬剤を用いた治療の有効性および安全性を評価することを目的に治療試験を開始しました。

対象

  • 播種性組織球性肉種と診断された犬
  • 化学療法が適応と判断され、第一選択薬であるロムスチンあるいは類似する抗がん剤であるニムスチンが投与されたものの、 当初より効果が認められない、あるいは効果が認められた後に耐性を獲得した症例
  • 東京大学附属動物医療センターへの来院が可能

内容

  • 週に一回の頻度での当院への来院
  • 一般検査(身体検査、血液検査、X線検査、超音波検査など)
  • 有効性、安全性の評価
  • 抗癌剤を含む薬剤による治療

※研究に参加された方は、検査費用の一部が免除されます。
文責:東京大学附属動物医療センター第3内科 富安博隆(獣医内科学研究室)

  • 犬の膀胱・尿道移行上皮癌および前立腺癌に対する臨床試験
  •  犬の膀胱・尿道移行上皮癌および前立腺癌は、尿路に発生する悪性腫瘍です。 外科手術により癌組織をすべて摘出することができれば根治となりますが、 犬の移行上皮癌や前立腺癌は悪性度が高く、手術を行っても再発や転移を起こしてしまうことがあります。 また既に転移のある症例に対して、根治目的の手術は不適応となります。 そのため内科療法が重要となりますが、現在のところ有効な薬剤は確立されていません。

     これまでの研究により、犬の移行上皮癌や前立腺の発症・悪化に関わるメカニズムを解析したところ、 治療のターゲットとなりうる分子を発見しました。そこで現在、その分子に特異的に作用する薬剤を用いて、 臨床試験を実施しています。この臨床試験は、2017年7月に東京大学附属動物医療センター治験委員会で承認を受けました。

対象

  • 移行上皮癌(膀胱・尿道)または前立腺癌と診断された犬
    ※疑いで紹介していただいてももちろん構いません。
  • 抗がん剤、放射線療法、外科摘出を実施していない(NSAIDsは可)。
  • 薬剤を1日1回経口投与できる。
  • 東京大学附属動物医療センターに通院できる(4週間に1回程度の頻度です)。

内容

  • 初診時に移行上皮癌(膀胱・尿道)または前立腺癌であるかを検査します。
  • 臨床試験に参加した場合は、試験薬を毎日1回経口投与していただきます。
  • 4週間に1回当院を受診していただき、血液検査、胸部X線検査、腹部超音波検査により効果判定と副作用を確認します。

※研究の詳細や費用については当センターのお問い合わせ専用ダイアル(03-5841-5420)にお問い合わせください。
文責:東京大学附属動物医療センター第1内科 前田真吾(獣医臨床病理学研究室)

  • 猫・犬の慢性腎臓病に対する臨床試験
  • 猫、犬の慢性腎臓病は、特効薬のない疾患のひとつです。我々は、抗酸化物質のひとつである ポルフィリン前駆体に着目し、これの服用によって 尿中タンパク質/クレアチニン比、血中尿素窒素、 血中クレアチニン値が改善する可能性を見出しました。現在、症例を数多く集め、どういった病期に どの程度の有効性をもつのかを明らかにすべく、臨床試験を行っています。

対象

  • 慢性腎臓病と診断された猫および犬(Cre = 2.0~5.0)
  • 現在、尿管結石症、尿石症、細菌性膀胱炎、腎盂腎炎を有しない。
    ※他の薬や療法食は与えていても与えていなくても結構です。

内容

  • 試験薬もしくは偽薬の服用を2ヶ月間ずつ合計4ヶ月間服用していただきます。
  • 1ヶ月おきに血液検査、尿検査、超音波検査を行い、腎臓病の病態を評価します。

※研究の詳細や費用については当センターのお問い合わせ専用ダイアル(03-5841-5420)にお問い合わせください。
文責:東京大学附属動物医療センター第1内科 米澤智洋(獣医臨床病理学研究室)

  • 犬の特発性てんかんに対する臨床試験
  • 抗てんかん薬は比較的副作用の少ない薬ですが、一生のみ続けなくてはならないなどのデメリットがあり、代替薬の検討が行われています。 ある脂肪酸は代替薬の一つとして報告されていますが、本物質の純度を高く精製した薬剤が出回っていない状況でした。 この度、高純度薬剤の開発に成功しましたので、その薬剤のてんかん治療の有効性を臨床試験にて調べることにしました。 本薬剤の安全性試験はすでに終了しており、投薬予定量の3倍での安全性が確認されています。

対象

  • 特発性てんかんと診断された犬
  • 抗てんかん薬で治療中。
  • 試験開始前の1ヶ月間で2回以上の発作が認められた。

内容

  • 抗てんかん薬の処方はそのままで試験薬を3ヶ月間服用し、その間の発作回数を記録していただきます。
※研究の詳細や費用については当センターのお問い合わせ専用ダイアル(03-5841-5420)にお問い合わせください。
文責:東京大学附属動物医療センター第1内科 米澤智洋(獣医臨床病理学研究室)

  • 猫悪性腫瘍に対するニムスチンの臨床試験
  • ニムスチンは抗がん剤の1つであり、犬や猫の悪性腫瘍の治療の際に用いられるロムスチンの仲間に分類される薬剤です。 猫においては脳腫瘍の治療のためにニムスチンが投与された猫の報告が1つあるだけで、適切な投与量や副作用、有効性に ついての詳しい情報はほとんどありません。当院では猫のリンパ腫や組織球性肉腫、肥満細胞腫と診断された猫に対してニムスチンの 投与を実施しており、大きな副作用もなく有効性が認められた症例を数多く経験しています。
    しかし、投与量については犬でのデータを参考に決定しているのが現状であるため、猫での適切な投与量や副作用について詳しく調べることができれば、 より安全かつ有効性の高い治療が実施できるものと考えられます。 そこで猫の悪性腫瘍に対するニムスチンの安全性を評価することを目的に臨床試験を開始しました。

対象

  • 細胞診または病理組織学的検査にて悪性腫瘍と診断された症例
  • 放射線療法、外科的手術、骨髄抑制を起こす化学療法を2週間以内に実施していない症例
  • 東京大学附属動物医療センターに通院できる(週に1回の頻度で投与から3週間目まで)

内容

  • ニムスチンを静脈内に投与します。
  • ニムスチン投与から1週間に1回当院を受診し、投与から3週間目まで通院していただきます。
  • 当院受診時には、一般検査(身体検査、血液検査、画像検査など)を実施し、有効性や安全性の評価をします。
※研究の詳細や費用については当センターのお問い合わせ専用ダイアル(03-5841-5420)にお問い合わせください。
文責:東京大学附属動物医療センター第3内科 大参亜紀

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