東京大学大学院農学生命科学研究科 動物医療センターは、獣医学教育に必須な施設として農学部内に設置され、各種の病気に罹患した動物の診療行為を通じて、 主として病気の原因、発生機序、診断、治療、予防等に関する教育・研究が行われています。 従来から使用されていた老朽化した建物の改築を機に、より高度の機能を有するベテリナリーメディカルセンターが完成し、 平成3年度からは本センターの施設を利用して、診療活動と共に動物の病気に関する集学的教育研究が行われています。
2023年4月1日より動物医療センター長に就任しました。どうぞよろしくお願いします。 東京大学大学院農学生命科学研究科附属動物医療センターの前身である家畜病院は1880年に開設され,日本政府に要請されてドイツから派遣されたヤンソン先生(Dr. Johannes Ludwig Janson)の指導のもと獣医臨床教育の場として活動を開始しました。以来140年余に渡って教育病院としての役割を果たして参りました。動物医療センターは,1)的確な診療と十分なコミュニケーションにより飼い主の皆様に満足していただける獣医療の提供,2)臨床獣医学に関する最新の知見を取り入れた診療水準および治療の向上に役立つ研究の推進,3)優れた技能と豊かな人間性を兼ね備えた次世代を担う獣医師の育成,を使命としてスタッフ一同,日々精進を重ねております。 前西村センター長のご挨拶にもありましたが(VMC NewsLetter vol.3),獣医学が発展するなかで,大学病院が高度な獣医療を適切に提供するためには,広い専門診療科を備えなければなりません。現在動物医療センターには,内科系診療科(総合内科,呼吸器内科,消化器科,腎泌尿器科,内分泌科,神経科,血液・免疫科,腫瘍科,皮膚科,循環器科),外科診療科(軟部組織外科,整形・神経外科),眼科,エキゾチック動物診療科,行動診療科,産業動物診療科が存在し,これらを画像診断部,病理・遺伝子診断部,麻酔・集中治療部,薬剤部,看護部が支えております。いまだ十分な数とはいえませんが,動物医療センターでは,これらの診療科や部が協同することで上記の使命を果たすべく,努力してまいります。私自身も長年担当している行動診療科で培ったコミュニケーション力を活かして,スタッフが働きやすい環境づくりに貢献できるよう尽力いたします。 これまで新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大の影響を受け,多くの方々にご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。動物医療センターでは今年度より徐々に診療規模を戻していきたいと思っております。 今後ともご支援賜りますよう,お願い申し上げます。
動物医療センター長 武内ゆかり
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