各種肝硬変モデルの特徴

 

線維化に要する期間 線維化の程度 肝実質細胞への影響 線維化のメカニズム
胆管結紮(BDL) 3〜4週で線維化
8週でピーク(肝硬変症)
+++(極めて重度) 広範囲に死滅する
(ALT値;200前後)
胆汁うっ滞による肝細胞損傷
ブタ血清(PS) 6週で線維化
8週でピーク
+(軽度,可逆的?) ほとんどない
(ALT値:80以下)
異種血清に対する免疫応答
四塩化炭素(CCl4) 4〜6週で線維化
8〜12週で肝硬変症
+++(重度) 損傷が見られる フリーラジカル代謝物による膜障害
メチオニン-コリン欠乏食(MCDD) 2週で脂肪滴の蓄積
8〜12週で炎症
12〜16週で線維化
++(中程度,
大量の脂肪滴が見られる)
わずかに損傷が見られる
(ALT値:100前後)
抗酸化酵素の活性低下による酸化ストレスの増大
ジメチルニトロソアミン(DMN) 2〜3週で線維化
4週でピーク
(後に肝癌へと進行する)
++(中程度) 損傷が見られる
(ALT値は,ラットの種類によって差が見られる.Wistar ratはSD ratに比べて重症になりやすい.)
核酸等の生体高分子のメチル化による肝細胞損傷
concanavalin A (Con A)
(
注:ラットでは実験例が少ない)
投与後12〜24hで急性肝炎の症状
10〜20週で線維化
+〜++(?) 急性期にはアポトーシス・ネクローシスによる細胞死が起こるが,慢性期では肝細胞の損傷は見られなくなる 肝内T細胞の刺激による免疫応答
(急性期:TNF-α・IFN-γ,
慢性期:IL-10)