唐木会長から、開会の挨拶、特別出席の日本獣医師会大森専務理事の紹介があり、大森専務理事から日本獣医師会の近況報告を含めて挨拶が行われた後、本日の議事日程及び配布資料を確認し、議事に入った。 議 事
T.確認事項
1.前回記録の確認について
唐木会長から、第79回全国大学獣医学関係代表者協議会記録(平成15年10月2日開催)の確認が行われ、承認された。
U.報告事項
1.国公立大学獣医学協議会報告
喜田会長(北海道大学)から、本日午前中開催された協議会について報告があった。
(1)前回協議会の議事録(案)及び協議会会計決算の承認
(2)各大学の現状報告
(3)文部科学省における協議会からの「国立大学における獣医学教育の充実方策について(協議の概要)(たたき台)」に関する協議について上記協議概要について種々意見が出され、各大学の総意として、この協議内容には獣医学教育充実のための達成目標及び期限が明示されておらず、後ろ向きの協議内容であるとの厳しい評価であった。今後、国公立大学協議会及び、全国大学獣医学関係代表者協議会でのこの協議概要に対する評価として唐木会長から文部科学省の協議会に具申していくこととした。
また、大阪府立大学の獣医学教育改善に向けての自助努力についてもこの協議概要に盛り込んでもらいたいとの意見があった。
(4)獣医学教育の再編について
今後の獣医学教育再編に関する協議を行い、規模については72名の教官からなる組織を目指すという姿勢を堅持することを確認した。
2.私立獣医科大学協会協議会報告
種池会長(酪農学園大学)から、本日午前中開催された協議会について報告があった。
(1)報告事項
@平成16年度入試報告、A獣医臨床教育担当者会議報告、B動物介在療法教育研究委員会報告、C東北産業動物臨床研修センター構想の経過報告、以上について報告・説明があった。
(2)協議事項
@平成15年度秋期私立獣医科大学協会協議会議事録(案)の確認
A獣医学教育の充実について
私立獣医科大学における大学院相互評価について協議を進めており、その報告書作成に向けて作業中であり、本年度6月開催予定の総会において説明・報告を行うこととした。
B私立獣医科大学おける獣医学教育の充実に向けての要望書を作成中であり、本年度6月開催予定の総会において提案することとした。
(3)その他
@私立獣医科大学における獣医学教育の充実・整備を図る目的で、サイバーキャンパスの実施を検討しており、その経過と現状について報告があった。
A各大学におけるBSE対策の現状について情報交換を行った。
B文部科学省協議会の協議の概要(たたき台)について各大学から意見がだされ、概ねこれまで述べられた内容の議論であった。
3.その他
(1)唐木会長から、前回協議において「獣医学教育改善の農学系学部長会議基本方針に沿った速やかな実現について(要望書)」提出にあたり、差出人を国公私立大学獣医学教育担当教員の連名としたが、国立大学から該当教員の約8割、公私立大学からも多くの署名を得られ、更に特筆すべきは本件を知った開業獣医師からインターネット配信により500名以上の開業獣医師の署名を得ることができ、合計800名を超える署名が集まり、これをもって文部科学省(専門教育課)へ大臣に渡す手配を依頼し、大臣への面会は当職と国公立大学から喜田会長、私立大学から種池会長および関係者により本要望書を提出・説明したい旨の報告があった。
(2)唐木会長から、日本学術会議改革法案が今国会で承認され、@総務省管轄から内閣府へ戻す、
A各学会からの会員推薦方式から現会員(任期3年・3期まで)が次期会員(任期6年・1期限り)を選出する方式となること。獣医学研究連絡委員会が廃止されることになり、今後、学術会議における獣医学領域からの会員の選出や獣医学関係活動の消極化が懸念され、獣医学領域の意見が反映されるような体制作りを考えていきたいこと。また、研連の活動として、昨年11月に耐性菌問題に関するシンポジュウムを開催した。さらに、4月14日に牛肉の安全に関する公開討論会を開催する予定であること、などの報告があった。
V.協議事項
1.平成15年度決算について
事務局から平成15年度決算報告があった後、唐木会長からの補足説明を踏まえて、協議の結果、平成15年度決算を承認した
2.獣医学教育の改善について
(1)局教授(東京大学)から、前回協議会以降、各大学からの意見等を参考に作成した「獣医学教育の標準的なカリキュラム」について説明があり、協議の結果、本提案を標準的なカリキュラムとし、各大学が教育理念に基づき教養科目を含め個々に対応することを踏まえて承認した。
(2)「国立大学における獣医学教育の充実方策について(協議の概要)(たたき台)」について
唐木会長から配布資料の内容紹介を行い、この「たたき台」には獣医学教育の充実方策実現の到達目標および到達期限が明示されておらず不十分である旨の説明があった。また、引き続き本件を協議するにあたり、全国大学獣医学関係代表者協議会および農学部長会議への協議依頼があり、この結果を受けて4月中に再度開催予定である旨、報告があった。これらの経緯を受けて、種々意見が出され、協議の結果、獣医学教育の標準的カリキュラムを実現するためには72名の教員確保は必須であり、そのためには獣医学教育の再編統合は不可避である。このことは、既に各大学の自助努力を超えた問題となっており、国の方策として対応が図られるべきであるとの合意に達した。これを受けて、今後、唐木会長、酒井副会長、喜田国公立協議会会長、種池私立協議会会長および大森専務理事等により、72名の教員確保とその目標到達期限設定の必要性を盛り込んだ答申案を作成することとした。
W.次回の開催について
次回、第81回全国大学獣医学関係代表者協議会を平成16年9月9日(木)、北海道大学において開催することとした。
以 上
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