唐木会長より開会の宣言があり、直ちに本日の議事に入った。
議事
T.前回議事録の確認について
第72回「全国獣医学関係大学代表者協議会」記録の確認が行われ、承認された。
U.報告事項
1.「国公立大学獣医学協議会」報告
徳力会長(山口大学)より、「国公立大学獣医学協議会」の報告が行われた。国立大 学再編問題においては、東日本4校においては具体的進捗が見られないが、西日本4校においては、宮崎大学及び山口大学の2校が九州大学との統合の話し合いが進んでいる旨報告された。
また、以下の4点についても合意に達した旨報告された。
(1) すべての国立大学の獣医学部・獣医学科が再編に参加する。
(2) 平成9年4月の国公立大学獣医学協議会での決議の枠組み以外に、新しい枠組みも模索する。
(3) 国立大学の獣医学部・獣医学科は3-4校を目指して集約する。
(4) 西で進んでいる、2校先行による九州大学獣医学部案の模索を全面的に支持する。
これらの国公立協議会の合意事項について検討の結果、全国協議会としても全面的に支持・支援していくことで了承された。
2.「私立獣医科大学協議会」報告
中村会長(麻布大学)より、平成12年6月16日に「私立獣医科大学協会総会」が開催され、獣医学教育のあり方などについての活動報告に基づき、「相互評価委員会」を設置した旨報告があった。また、平成11年10月と平成12年4月には「獣医臨床教育担当者会議」が開催された旨報告があった。
なお、私立協議会での協議事項の中から以下の様な報告がされた。
@獣医学教育のありかたの中で、下記の取り組みの検討を行った。
*平成12年度基盤研究A「獣医学教育の抜本的改善の方向と方法に関する研究」
*各大学の臨床教育への取り組み
*「相互評価委員会」委員の選出及び実施
A獣医学修士課程の必要性
B平成13年度各私大における下記事項について承合した。
*学納金値上げの問題
*入学試験日程
3.「横断的評価委員会」報告
局委員長(東京大学)より、過日、全獣医関係大学を対象に実施した自己点検・評価結果に基づき取り纏めた、横断的評価について中間報告があった。配付資料の「主な評価結果」を基に詳細説明があり、これを踏まえ種々意見交換を行った。
また、唐木会長より、評価結果を取り纏め、最終的に各大学長・学部長、関係諸機関宛公表予定である旨、補足説明があった。
なお、大学名について、「アルファベットで標記し、実名を避ける。」ことについて、国立大学の実名公表の要望が出されたが、現段階では難しい状況である旨、唐木会長より説明があった。但し、今後各大学の学部長レベルの同意があれば実名公表の可能性も残されている旨補足された。
続いて、横断的評価委員会の位置付けについて再確認したいとの質問があり、確認の結果、当委員会は絶対評価と相対評価の二つを実施する意図で設置されたものであり、各大学は、@「評価項目の一つ一つを、基準と照らし合わせて分析し、現況を認識する」A「横断的に他大学との比較を行い、分析する。」の二つの視点から自己点検評価活動を行うとの見解が、唐木会長より示され、了承された。
最後に、唐木会長より横断的評価完成後に、外部評価を導入予定である旨説明があった。現行では、大学基準協会による評価は「機関評価」に留まる予定であることから、新たにJABEEやアメリカのアクレディテーション機関を参考に、獣医学のための外部評価機関の設置をしたい意向が明らかにされ、ついては各会員に対し協力要請があった。
4.「獣医学教育関係者連絡会議」及び「獣医学教育のあり方に関する懇談会」の設置について
唐木会長より、8月31日に開催された「獣医学教育関係者連絡会議」の報告があった。「獣医学教育関係者連絡会議(代表 五十嵐幸男 日本獣医師会長)」は「獣医学教育のあり方に関する懇談会(座長 黒川清 東海大学医学部長)」に対し、
@国・公・私立大学における獣医学教育の充実に関すること。
A国立大学獣医学部の適正な規模及び配置に関すること。
の2点について、先般諮問を出した旨報告され、11月末頃答申が得られる予定である。
(参 考)
「獣医学教育関係者連絡会議(代表 五十嵐幸男)」
全国大学獣医学関係代表者協議会 会 長 唐木 英明
国公立大学獣医学協議会 会 長 徳力 幹彦
私立獣医科大学協議会 会 長 中村 経紀
日本学術会議 獣医学研究連絡委員会 委員長 高橋 貢
財団法人大学基準協会 獣医学教育研究委員会 委員長 光岡 知足
社団法人 日本獣医学会 理事長 土井 邦雄
社団法人 日本獣医師会 会 長 五十嵐幸男
「獣医学教育のあり方に関する懇談会(座長 黒川 清)」
黒川 清 東海大学医学部長 日本学術会議副会長
小出 五郎 日本放送協会 解説委員
小林 正彦 東京大学副学長
竹中 登一 山之内製薬株式会社 取締役 社長
丹羽 雅子 奈良女子大学学長 日本学術会議第6部会員
馬場 練成 読売新聞社 論説委員
増田 裕 三共株式会社 取締役 研究本部副本部長
松田 譲 協和発酵工業株式会社 執行役員 医薬総合研究所長
渡邊 誠喜 東京農業大学教授 日本学術会議第6部会員
5.その他
@ 10月15日で「日本学術会議獣医学研究連絡委員会委員長」の任期を迎えられる高橋貢先生より挨拶があった。また、高橋先生の永年の御尽力・御功労に対し、唐木会長より謝辞が述べられた。
A 赤堀教授(麻布大学)より、大学基準協会で現在、大学院獣医学研究科の基準の改正作業が進められており、今年度中に策定される予定である旨報告があった。その中には、獣医学研究科の中に、各大学のフレキシブルな選択で修士課程を設置できることなどの事項が盛り込まれている。
B 唐木会長が研究代表を務める科学研究経費について、来年3月迄に報告書を取り纏める必要があることから、関係各位に協力方要請があった。また、次年度は徳力教授(山口大学)を代表として研究が継続されるので、併せて関係各位に協力願いたい旨要請があった。
C 平井教授(岐阜大学)より、岐阜大学連合大学院で今年9月に実施した外部評価について、報告があった。
D 唐木会長より、本協議会執行部は来年3月で任期満了となるため、各大学においては役員改選に遺漏のないよう、協力方要請があった。
V.協議事項
1. 規約の改正について(本協議会の名称変更)
唐木会長より、本協議会の名称について変更したい旨提案があった。「全国獣医学関係大学代表者協議会」から「全国大学獣医学関係代表者協議会」と名称変更することについて協議の結果、概ね原案どおり了承された。ついては、係る本会規約の一部を文言修正し、平成12年10月6日付で規約改正を承認した。
2. 獣医学教育の改善について
唐木会長より、先に了承された「九州大学への宮崎大学・山口大学の2校先行案を全国協議会として全面的に支援・要望していくにあたり、文書を関係大学・諸機関など主要送付先に連名(全国協議会長・国公立協議会長・私立協議会長・日本獣医師会長・日本学術会議獣医学研究連絡委員会委員長)で送付したい旨提案があり、了承された。
3. その他
@ 唐木会長より、獣医学に係る外部評価機関の設置について意見聴取したい旨依頼があった。JABEEやその他の審査機関も参考に、慎重に外部評価機関の設置を検討したいので、各会員に対し継続審議の要請があった。
また、日本の獣医学部の幾つかをサンプルとして、敢えてアメリカ・アクレディテーション機関による評価を受け、日本の獣医学の基礎・臨床・応用各分野におけ
る現況を認識したい旨の要望も出された。
A 次回の全国協議会は、平成13年4月1日(日)に東京農工大学において、開催予定であり、執行部(会長・副会長・事務局)の改選が行われる旨報告された。 |