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 第69回 議事録
日 時  平成10年11月 6日(金)13:00〜16:00
場 所  東京大学農学部3号館4階大会議室
出席者
 会 長  唐 木 英 明
北海道大学 梅村孝司
帯広畜産大学 白幡敏一、品川森一
岩手大学 三宅陽一、内藤喜久
東京大学 土井邦雄、小野憲一郎
東京農工大学 田谷一善、山根義久、本多英一
岐阜大学 源 宣之、平井克哉、小森成一
鳥取大学 原田悦守
山口大学 徳力幹彦、高橋 進
宮崎大学 新城敏晴
鹿児島大学 杉村崇明
大阪府立大学
酪農学園大学 種池哲朗、竹花一成
北里大学 小山弘之、高瀬勝晤
麻布大学 中村経紀、政岡俊夫、鈴木嘉彦、赤堀文昭
日本大学 酒井健夫、福田陽一
日本獣医畜産大学 中條眞二郎、高橋和明、鎌田信一
以上32名
事務局(日本獣医畜産大学) 荻原 茂、上原正夫
特別出席
日本学術会議獣医学研究連絡委員会 委員長  高橋 貢
社団法人 日本獣医師会 専務理事  松山 茂

唐木会長が開会を宣し、挨拶の後、直ちに議事並びに報告に入った。

議 事
  1. 前々回及び前回議事録の確認について
    第68回全国獣医学関係大学代表者協議会記録の確認については、急遽第69回全国獣医学関係大学代表者協議会が開催されることになり、本日配付している関係上第70回全国獣医学関係大学代表者協議会において確認することにした。

  2. 報告事項
    1. 科学研究費(基盤研究A)申請書の提出について
      唐木会長から、標記の件については 現在国立8大学において、獣医学教育の再編整備が予定されており、また、その他の獣医科大学においても獣医学教育のの見直しを実施すべく、検討されているところであり、教育充実のための、研究経費を確保するために、国公立大学獣医学協議会協議会および私立獣医科大学協会々長と協議の結果、研究課題「獣医学教育の抜本的改善の方向と方法に関する研究」を科学研究費補助金として申請した旨の説明があった。

    2. 財団法人大学基準協会の現状について
      唐木会長から、現在財団法人大学基準協会が審議している内容について、以下のとおり報告があった。
      1. 獣医学を横断する評価の基準を作成している。
      2. 大学院の教育基準を作成している。 なお、(a)については本年度中に成案を作成する予定である。
    3. 日本学術会議獣医学研究連絡委員会報告
      高橋委員長から、現在獣医学研連においては獣医学教育の再編整備等について協議を重ねており、素案を作成しだい第6部会に諮り最終的には学術会議の審議委員会に委ね、対外報告を行いたい旨の説明があった。

    4. 国立8大学の再編整備について
      唐木会長から、標記の件についての一連の新聞報道記事に関わる説明があった。
      なお、マスコミ関係各社から問い合わせのあった項目を纏めると、次の4項目に大別される。
      • 全国獣医学関係大学代表者協議会とはどのような組織なのか?
      • 地域の畜産現場に対して、大学が責任をとらなくてよいのか?
      • 獣医学科あるいは獣医学部等が移動すると、大学が困らないか?
      • 地元大学から人気学科・学部が消えるのは反対である。


    5. 各大学の状況報告について
      各大学の再編整備の状況について下記のような報告があった。
      • 西日本連大
        2,000年に九州大学に新学部の設立を目指して準備を進めている。4大学(山口、鳥取、宮崎、鹿児島)は遅くとも平成11年3月までに平成12年度概算要求の承認を学部教授会で得る。九州大学では平成12年度概算要求を作成し平成11年6月には文部省に提示する予定である。既に一部の大学ではほぼ承認が得られることが確実になった。4大学の獣医学科長と再編整備委員長が九州大学の総長と懇談し設立に関する要請と趣旨の説明を行った。
      • 東日本連大
        4大学の中に再編整備委員会を設け、東北大学に新学部を設立する前提で内部調整を行い、東北大学の関係諸機関との連絡を密に行っている。
      • 東京大学
        獣医学教育充実のためのカリキュラム改正について検討委員会を設置している。
      • 北海道大学
        再編整備に向けての統廃合については、賛成であるが、北大は、自助努力を求められているため、新しい獣医学教育に関するガイドラインを作成すべく、将来構想検討委員会を設置している。
      • 私立獣医科大学の現状について
        獣医学教育の充実という点においては、私立獣医科大学においても国公立大学と同様に関心を持ち、私立獣医科大学協会においても課題として取り上げ協議を重ねており、獣医学教育の充実の重要性については、各大学とも認識している。


  3. 協議事項
    獣医学教育の充実について
    唐木会長から、獣医学教育充実の実現のために、以下の点を社会に説明する必要がある旨意見が述べられた。

    1. 以下の項目について各大学において早急に明らかにする。
      • 獣医学の理念について
        獣医学教育に社会が何を求め、獣医学教育がそれにどのように対処するのかを明らかにする。
      • 理念に基づいた獣医学教育の実態
        理念に基づいて、どのような形の教育組織をつくるのかを明らかにする。
      • カリキュラムの具体化
      • 具体的な授業方法
      • 教員の配置
      • 教育に必要な設備、施設
      • 他学部との繋がり
      • 地域との繋がり
      • 評価システムの導入
      • 個性的な教育の確立
        「個性が輝く大学」をどのように実現するのかを明らかにする。
    2. 在学生に対する獣医学教育の充実について
      在学生に対して、今後の獣医学教育の充実の方向について十分に説明し、現在可能な限りの教育の充実を行う。
    3. 外部評価の導入
      外部評価を受けることにより、教育の現状を客観的に明らかにする。
    4. その他
      次回全国協議会の開催について
      第70回全国協議会は、平成11年4月5日(月)東京大学において開催することにした。

      後記:文部省より日本の獣医学教育は欧米とほぼ同じ6年制であり、欧米の教育に比べて遜色があるとは考えにくいとのコメントを頂きました。この点についても分り易い資料を作る必要があります。

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