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 第68回 議事録
日 時  平成10年 8月20日(木)13:00〜15:00
場 所  酪農学園大学 本館第1会議室
出席者
 会 長  唐 木 英 明
北海道大学 前出吉光、中里幸和、喜田宏
帯広畜産大学 白幡敏一、品川森一、斎藤篤志、山田明夫、宮澤清志
岩手大学 三宅陽一、谷口和之、森松正美
東京大学 土井邦雄、吉川泰弘、小野憲一郎
東京農工大学 田谷一善、山根義久、本多英一
岐阜大学 源 宣之、平井克哉、小森成一、鈴木義孝
鳥取大学 上原正人、原田悦守、籠田勝基
山口大学 牧田登之、徳力幹彦、林 俊春
宮崎大学 永友寛司、新城敏晴、伊藤勝昭
鹿児島大学 杉村崇明、西尾 晃
大阪府立大学 菅野 司、植村 興、佐々木文彦、太田光明
酪農学園大学 種池哲朗、森田千春、小谷忠生、加藤清雄
北里大学 小山弘之、高瀬勝晤、天間恭介
麻布大学 中村経紀、政岡俊夫、鈴木嘉彦、赤堀文昭
日本大学 門田定美、酒井健夫、福田陽一
日本獣医畜産大学 紺野 耕、中條眞二郎、高橋和明、鎌田信一
以上55名
事務局(日本獣医畜産大学) 荻原 茂、上原正夫

特別出席
日本学術会議獣医学研究連絡委員会 委員長   高橋 貢
社団法人 日本獣医師会 専務理事  松山 茂
財団法人 大学基準協会 事務局   田代 守

 唐木会長が開会を宣し、挨拶の後、直ちに本日の議事に入った。

議 事
  1. 前回議事録の確認について
    第67回全国獣医学関係大学代表者協議会記録の確認が行なわれ、一部訂正のうえ承認された。

    訂正箇所〔頁、行〕
    3頁下から12行目 鈴木教授(岐阜大学) 鈴木教授(大学基準協会)
    4頁上から13行目 鈴木教授(岐阜大学) 鈴木教授(大学基準協会)
  2. 報告事項
    1. 国公立大学獣医学協議会報告(会長 牧田登之山口大学教授)
      1. 会長及び事務局の改選について
        次期会長に山口大学徳力幹彦教授が選任され事務局に東京大学土井邦雄教授が選任された。
      2. 大学再編整備について
        東連大参加4大学は東北大学に獣医学部設立を依頼する方向で協議を重ねており、西連大参加4大学は前回報告の通り九州大学に学部設立するため協議をしている旨の経過報告がなされた。
        また、大阪府立大学は、農学部再編が終了し、獣医学部設立のための議論をしていることが報告された。

      3. 獣医学教育の充実について
        全国獣医学関係大学代表者協議会 唐木会長より「獣医学教育の充実について(要望)案」が提案され国公立大学獣医学協議会として一部内容の修正を加え賛同する方針であること、さらに、要望案について、全国協議会で要望するのであれば国公立も要望書を提出したい旨の報告があった。


    2. 私立獣医科大学協議会報告(会長 中村経紀麻布大学学長)
      1. 副会長の件について
        副会長に酪農学園大学種池哲朗教授が選任された。

      2. 協会会員等における単位互換制度について
        協会会員等を対象とする単位互換制度については、さらに協議することとした。

      3. 獣医学教育基準の国際化について
        私立獣医科大学協議会として研究会を発足させ会合した結果、全国獣医学関係大学代表者協議会 唐木会長より「合意事項の提案について」提案された事項については議論があったが了承された。
        また、「獣医学教育の充実について(要望)案」は、私立獣医科大学の対応、要望が満たされていない等の意見があったが積極的に対応することで了承された。


    3. 日本獣医師会、日本学術会獣医学研連及び大学基準協会の報告について社団法人日本獣医師会松山茂専務理事より、次のような報告があった。
      1. 獣医学教育の充実については異存はなく支援を行いたい。

      2. 国立8大学の再編整備については日本獣医師会としての決定はないが、日本獣医師会会長、ならびに専務理事としては、支援を行いたい。

      3. 獣医学教育の国際化については獣医学教育基準の国際化であり、開業獣医師のライセンスの国際化ではない点について注意していただきたい。


    4. 日本学術会議獣医学研究連絡委員会高橋 貢委員長より、次のような報告があった。
      1. 日本学術会議の第17期の活動は、教育と環境をテーマにし検討を重ねている。

      2. 獣医学研連の活動は、獣医学教育に関する問題と21世紀における獣医学研究をテーマとしている。特に獣医学教育に関する問題としては、国立8大学の再編整備に協力していきたい。また、来春の学会では、「獣医学教育に関する問題」について獣医学研連主催のシンポジウムを開催する予定である。

      3. 科学研究費の中の動物臨床医学の分野については、3年間の期限付きで申請を受け付けているが、1年間の申請数が120 〜130 件で3年間継続すれば、恒久化することが実現可能となるので、積極的に申請を行ってもらいたい。

      4. 環境ホルモンの問題については、第4部が中心となって環境ホルモン学会を発足させた。

      5. クローン化の問題については、畜産学研連委員会と獣医学研連委員会とで小委員会を作り、ガイドラインを作成することとなった。


    5. 大学基準協会事務局田代 守氏より、次のような報告があった。
      1. 財団法人大学基準協会の事業概要について説明があり、現在国公私立大学の約8割が会員となっている状況報告があった。
        なお、基準協会の最近の動向としては、大学教育の質的向上を課題としており、具体的には、平成8年度から新しい大学評価を実施し平成8年度は40校、平成9年度は24校、平成10年度は29校に対して評価を行った。

      2. 大学の質の向上に関わり、平成9年2月に獣医学教育に関する基準を公表している。

      3. 現在、検討を行っている課題は、1)獣医学を横断する評価、2)大学院の基準についての検討、の2つである。
        なお、獣医学を横断する評価の参考とするために獣医学教育国際化状況調査(ヨーロッパの現状調査)を実施し、また、大学院の基準作成の資料とするために大学院獣医学研究科・専攻の実態調査を実施しそれぞれ報告書ならびに集計表として取り纏めて関係大学に送付している。


      以上、大学基準協会事務局から説明に関連して、唐木会長ならびに赤掘教授から配布資料3・4に基づき若干の補足説明があった。


  3. 協議事項
    1. 獣医学教育基準の国際化について
      標記の件については、先程の報告の中に包括してあるので、以上の説明を以て協議事項に代える旨唐木会長から説明があった。

    2. 獣医学教育の改善について
      唐木会長から、配布資料5に基づき説明があり、合意事項(案)について協議を行った。
      酪農学園大学の種池教授より、私立獣医科大学協会協議会に獣医学教育の国際化に関する検討委員会を設置し、検討を行っている旨説明があり、提案の3項目については私立獣医科大学協会協議会としては賛同するとの報告があった。協議の結果、第1項目については原案通り了承された。
      また第2項目ならびに第3項目については、協議の結果第2項目は削除することとし、第3項目については原案通り了承された。
      その結果、以下の2点を本協議会の合意事項とすることとした。


    1. 本協議会は、「獣医学教育に関する基準」の速やかな実現に向けて最大限の努力をする。

    2. 本協議会は「獣医学教育に関する基準」の実現のための各大学の努力を全面的に支援する。
      引き続いて文部省高等教育長あての「獣医学教育の充実について(要望)(案2)」について、唐木会長より説明があり、午前中に開催された国公立大学獣医学協議会ならびに私立獣医科大学協会協議会とも、大筋については了承したが、文部省への提出にあたってはさらに内容を検討すべきとの意見であった旨報告があり、協議の結果、要望書を提出することについて了承された。
      次に内容の検討にはいり、私立獣医科大学協会協議会を代表して種池副会長から要望書への追加事項の要請があった。また、大阪府立大学からも同様の意見が出され、協議の結果、各大学で検討を行い、意見等があれば、8月末日迄に会長へ連絡し、会長が各関係機関の代表者と内容の調整を行い、会長の責任において文を作製して遅くとも9月中旬迄には文部省高等教育局長宛提出することとした(追記1参照)。

    3. その他
      1. 獣医学研連主催のシンポジウム開催の件について
        日本学術会議獣医学研究連絡委員会高橋 貢委員長より、来春の学会において「獣医学教育に関する問題」というテーマで、シンポジウムを開催する予定であるが、その開催にあたって日本獣医学会・日本学術会議獣医学研究連絡委員会ならびに全国獣医学関係大学代表者協議会の共催により開催したい旨依頼があり、了承された。

      2. 獣医師国家試験問題の改定について
        獣医師審議会長土井教授から、平成11年3月までに獣医師国家試験問題の内容の大幅な改定を予定しており、獣医事審議会として原案を作成し、各大学にて検討を願いたく送付する予定である旨報告があった。

      3. 次期会長等の選出について
        平成11年3月31日をもって任期満了となる本協議会の会長・副会長の選任の件に関しては、次回4月の協議会において改選することとした。

      4. 第127回日本獣医学会開催について
        第127回日本獣医学会は、麻布大学の主催で平成11年4月2日(金)から4日(日)までの3日間、麻布大学で開催することの予告がなされた。

      5. 次回全国協議会の開催について
        第69回全国協議会は、平成11年4月1日(木)に開催することになった(追記2参照)。


    追記1) 文部省高等局長への要望書については各大学から御意見を頂き、私立大学と大阪府立大については別途要望書を考えることとして、問題となる部分は削除する方向で成案を得て、関連団体の同意を得て9月7日に提出した。そのコピーは各大学に配布ずみである。

    追記2) 私立獣医科大学協議会会長よりの要望により、第69回全国協議会は平成11年4月5日(月)に東京大学において開催するよう変更された。さらに、その後の状況の変化により、平成10年11月6日(金)に東京大学において第69回を開催し、平成11年4月5日には第70回を開催することとした。

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