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 第67回 議事録
日 時  平成10年 4月 4日(土)13:00〜15:30
場 所  栃木県総合文化センター第4会議室
出席者
 会 長  唐 木 英 明
副 会 長 小 林 好 作
北海道大学 前出吉光、中里幸和
帯広畜産大学 品川森一、白幡敏一、斎藤篤志、宮澤清志
岩手大学 三宅陽一、谷口和之、松坂尚典
東京大学 土井邦雄、吉川泰弘
東京農工大学 神田尚俊、田谷一善、山根義久、本多英一
岐阜大学 源 宣之、佐々木榮英、平井克哉、小森成一
鳥取大学 上原正人、原田悦守
山口大学 牧田登之、林 俊春、徳力幹彦、高橋 進
宮崎大学 伊藤勝昭、永友寛司
鹿児島大学 杉村崇明、西尾 晃
大阪府立大学 暮部 勝、菅野 司、植村 興、佐々木文彦、太田光明
酪農学園大学 種池哲朗、森田千春、加藤清雄
北里大学 吉川 尭、小山弘之、高瀬勝晤
麻布大学 中村経紀、政岡俊夫、鈴木嘉彦、赤堀文昭
日本大学 門田定美、酒井健夫、稲葉右二、福田陽一、田中茂男
日本獣医畜産大学 中條眞二郎、高橋和明、鎌田信一
以上54名
事務局(日本獣医畜産大学) 荻原 茂、上原正夫
特別出席
日本学術会議獣医学研究連絡委員会 委員長 高橋 貢
社団法人 日本獣医師会 専務理事 松山 茂

  唐木会長が開会を宣し、挨拶の後、直ちに本日の議事に入った。

議 事
  1. 前回議事録の確認について
    第66回全国獣医学関係大学代表者協議会記録の確認が行なわれ、一部訂正のうえ承認された。

    訂正箇所〔頁、行〕
    2頁上から13行目 ……3校ともその実施を
    凍結若しくは断念したと
    の報告があった。
    ……帯広畜産大学・鹿児
    島大学の2校については
    実施を凍結若しくは断念
    し、山口大学は概算要求
    として請求している旨の
    報告があった。
    3頁下から11行目 ……宮澤教授 ……宮澤助教授
    同18行目 ……EC ……EU
  2. 平成9年度決算について
    事務局から、別紙配付資料「平成9年度決算報告書」に基づき報告が行われ、承認された。
    なお、運営費等財源確保の必要性から、本協議会(唐木会長)、国公立大学獣医学協議会(牧田会長)及び私立獣医科大学協議会(中村会長)において会議費の分担の方法について検討する旨の報告がされた。

  3. 報告事項
    • 国公立大学獣医学協議会報告(会長 牧田登之山口大学教授)
      1. 大学再編について    東連大における大学再編について、帯広畜産大学品川教授より状況報告がなされた。「獣医学教育の理想像」の冊子を作成し、再編整備について、協議をかさねた。再編整備の状況を日本学術会議獣医学研究連絡委員会に報告をした。
        また、3月27日には本協議会唐木会長と東連大4大学とで文部省に出向き情報交換を行った。
        西連大における大学再編について、山口大学徳力教授より経過報告がなされた。西連大においては、まとまって九州大学に学部設置を要望する方針を打ち出し、九州大学学長宛に書簡を送付した。
        大阪府立大学では、農学部再編が終了し、獣医の再編について活発な議論をしていることが報告された。
        以上をふまえて文部省堀川教育係長、社団法人日本獣医師会松山茂専務理事、日本学術会議獣医学研究連絡委員会高橋貢委員長、大学基準協会林良博幹事から意見が述べられた。

      2. 獣医学教育基準の国際化について
        獣医学教育基準の国際化について本協議会唐木会長が海外視察(ヨーロッパ)に出向き調査検討する予定であることが報告された。

      3. 授業料免除について
        宮崎大学より獣医学科5年生、6年生の授業料免除枠の拡大について本協議会より文部省に要望してもらいたい旨の説明があった。

    • 私立獣医科大学協議会報告(会長 中村経紀麻布大学学長)
      1. 副会長の件について
        副会長杉山教授(日本獣医畜産大)から退職に伴う辞任申し入れがあり、副会長が空席となるが、役員改選が6月に予定されているので、空席のままで運営したい旨の報告があり了承された。

        大学院における単位互換制度について
        大学院生を対象とする単位互換制度については、次回、学部と同じく8月までに結論を出すこととした。

      2. 学部における単位互換制度について
        臨床実習を中心とした5大学間での単位互換制度について、8月に行う獣医学会までに希望調査を行い結論を出すことの報告があった。

      3. 海外の大学との交流について
        各大学における海外の大学との交流について、国外研修に他大学の学生を参加させたいが、大学自身の応募が多いので現状では参加させる余裕がない旨の報告があった。

      4. 大学基準協会における獣医学教育研究委員会審議の進捗状況および本協会による自己点検・自己評価について赤堀教授(麻布大学)から、獣医学教育の国際化の現状と唐木教授(東京大学)鈴木教授(大学基準協会)赤堀教授(麻布大学)による海外視察(ヨーロッパ)の結果を含めて獣医学教育の国際化についてさらに検討することとした。

      5. 卒後教育における図書館の相互協力について
        卒業生の他大学図書館の相互利用について私立獣医科大学協会で協議を行って結論を出すのは、困難であると思われるので各大学の図書館職員等で検討を行ってもらい次回の総会(6月)までに具体的な提案を出すことになった。

      6. 各大学で行われている獣医学研修学会の現況について
        各大学とも卒後教育として、名称は様々であるが学会、研究会等を開催しており成果については、盛況に行われている旨の報告があった。

      7. 平成10年度の総会について
        平成10年度の私立獣医科大学協会総会を酪農大学が主催となり平成10年6月19日(金)から20日(土)の予定で行うことの報告があった。


  4. 協議事項
    • 獣医学教育基準の国際化について
      前回、報告したように獣医学教育基準の国際化について2つの面から調査をおこなっている。(1) 海外の大学及び獣医学関連の機関に問い合わせを行い実情を知る為の資料収集を行なっている。(2) 海外に出向き調査を行う計画をしている。
      (1)については、資料を纏めた段階で日本語訳にして配付する予定である。しかしながら、資料の内容を詳しく調査するまでもなく日本の大学は、アメリカ、ヨーロッパ、北米等の基準から見て規模が小さく教育の内容がかなり違っていることは明らかである。このような状況にある我が国の獣医学教育の実態を周辺の人達に周知すべく運動を計り、周辺の獣医学関係以外の農学関係者並びに一般市民等のご理解と全面的協力を願いたい旨の説明があった。
      (2)については、赤堀教授(麻布大学)鈴木教授(大学基準協会)唐木教授(東京大学)による海外視察(ヨーロッパ)をおこなう予定であること、訪問先はヨーロッパでは大規模なミュンヘン大学、比較的小規模なブラッセルのゲント獣医科大学近年統廃合した、ベルリン大学の三大学としたことの説明があった。
      また、以上の件に関連して前回の議事録にあるように、小林教授(本協議会副会長麻布大学)、宮澤助教授(帯広畜産大学)の二人を中心に獣医師免許の国際化のメリットとデメリットを調査した件について、小林教授より「第66回全国獣医学関係大学代表者協議会(1997−10−9)での宿題」についての趣旨説明及び報告があった。
      なお、大事な資料なので小林教授、宮澤助教授に統計等資料の作成を依頼し本協議会でパンフレット又は冊子にし、各自に配付することで了承された。

    • 獣医学教育の改善について
      1. アンケート調査の結果報告
        アンケート調査が別紙配付資料4のとおり纏まった旨の報告があり、16大学中15大学から回答をもらい本協議会唐木会長より「アンケート結果のまとめ」に基づいて実施状況が報告された。
        また、社団法人日本獣医師会松山茂専務理事より教育の国際化及びライセンスの国際化等について説明があった。
        引き続き、日本学術会議獣医学研究連絡委員会高橋貢委員長より、日本学術会議研連の活動と第6部の中での活動について報告があった。

      2. 北海道大学における外部評価実施結果報告について
        北海道大学では、平成7年度より大学院重点化を行い、学外の有識者による外部評価を実施した。評価委員は、国内(大学学長2名、獣医学関係教授3名、農水省1名、民間2名、大学基準協会1名)9名、海外(アメリカ・アイオワ州立大学獣医学部1名、オレゴン州立大学獣医学部1名、カナダ・ゲルフオンタリオ獣医科大学1名)3名であった。
        平成10年1月24日には、国内9名の委員により学内施設の視察及び学内評価委員とのヒアリングを行った。また、平成10年1月29日は、海外の委員3名によって北米の評価方法に準じて3日間にわたり留学生、大学院生、学部学生とのインタビュー、研究室を訪問して教官との聞き取りを実施した。
        点検項目については、(1) 組織運営 (2) 施設設備 (3) 教育活動 (4) 研究活動 (5) 教育研究支援体制 (6) 国際交流 (7) 家畜病院 (8) 点検評価体制 の8項目であった。
        結果は、5月頃に外部評価報告書という名称の冊子を作成し、公表したい旨の説明があった。
        また、予算関係、海外評価委員、評価の方法、評価に係わる準備期間及び資料、公表の時期と形式について等多数の質疑応答があった。

      3. 当面する獣医学教育の改善について
        私立獣医科大学協議会より臨床の単位互換制度について説明があり、私立5大学によりアンケート調査を実施し次回総会にて協議し、全国協議会に報告する予定である旨の説明があった。
        また、宮崎大学から大学間教育のための協力体制として昨年から始めた、鹿児島大学及び宮崎大学の講義、実習等の連携についての報告があった。


    • その他
      1. 獣医師国家試験問題の公表等について
        東京農工大学田谷教授より獣医師国家試験問題の公表について質問があり、獣医師審議会長土井教授から、現段階では公表は無理であるが2、3年後を目処に公表に踏み切りたい旨の説明があった。
        また、環境ホルモンに対する獣医学としての取組について提案があった。

      2. 資料4アンケート調査の結果報告の一部訂正について
        訂正箇所〔頁、行〕
        質問1
        農工大
        (12)必修……。
        2年に1人位が条件になる
        (12)必修……以下である。
        2年に1人位
        質問9
        宮崎大
        講座によっては学科発表 講座によっては学会発表


      3. 第126回日本獣医学会開催について
        酪農学園大学種池教授より、第126回日本獣医学会は、酪農学園大学の主催で平成10年8月21日(金)から23日(日)までの3日間、酪農学園大学で開催することの予告がなされた。

      4. 次回全国協議会の開催について
        第68回全国協議会は、平成10年8月20日(木)に開催することになった

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