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 第66回 議事録
日 時  平成9年10月9日(木)13:00〜14:50
場 所  鹿児島大学農学系連合大学院棟3階大会議室
出席者
 会 長  唐 木 英 明
副 会 長 小 林 好 作
北海道大学 喜田 宏、中里幸和
帯広畜産大学 斎藤篤志、白幡敏一、西村昌数、宮沢清志、山田純三
岩手大学 品川邦汎、谷口和之、三宅陽一
東京大学 小野憲一郎、高橋英司
東京農工大学 神田尚俊、本多英一、山根義久
岐阜大学 小森成一、佐々木榮英、鈴木義孝、平井克哉、源 宣之
鳥取大学 籠田勝基、原田悦守
山口大学 徳力幹彦、林 俊春、牧田登之
宮崎大学 伊藤勝昭、永友寛司
鹿児島大学 阿久沢正夫、椛 秀人
大阪府立大学 暮部 勝、佐久間貞重
酪農学園大学 加藤清雄、種池哲朗、森田千春
北里大学 小山弘之、高瀬勝晤、吉川 尭
麻布大学 赤堀文昭、茅根士郎、中村経紀
日本大学 稲葉右二、門田定美、酒井健夫、福田陽一
日本獣医畜産大学 杉山公宏、高橋和明、中條眞二郎、畑井喜司雄
以上50名
事務局(日本獣医畜産大学) 齋藤宣章、上原正夫

  開会に先立ち、唐木会長から、前回の協議会で会長一任になっていた事務局については、前年度に引き続き日本獣医畜産大学に依頼したことが報告された。

議 事
  1. 前回議事録の確認について
    第65回全国獣医学関係大学代表者協議会記録が確認された。

  2. 報告事項
    国公立大学獣医学協議会報告(会長 牧田登之山口大学教授)
    1. 副会長等の選出について未定であった副会長に鈴木義孝教授(岐阜大学)、喜田 宏教授(北海道大学)の2名、幹事には林 俊春教授(山口大学)を選出した。

    2. 学士入学について
      現在、2校で学士入学試験を実施している。

    3. 学部教育の大学間協力について
      鹿児島大学と宮崎大学の間で学部教育に関する協力関係が進んでいる。

    4. 学生による授業の評価について
      東京農工大学では学生による授業の評価に係るアンケート調査を行い、現在、分析中である。

    5. 学外者による点検評価について
      学内者による自己点検だけでなく、学外者による点検評価の導入を1、2校の大学が予定している。
    6. 大講座制について
      大講座制について検討していた3大学(帯広畜産大学、山口大学、鹿児島大学)から、帯広畜産大学・鹿児島大学の2校については実施を凍結若しくは断念し、山口大学は概算要求として請求している旨の報告があった。

    7. 教育体制の充実について
      再編整備の旗を下ろさないことを協議会で確認しているので、今後ともその可能性を追求していくことで了承された。これに関連して東日本4校(帯広畜産大学、岩手大学、東京農工大学、岐阜大学)が作製した冊子「獣医学教育の理想像」が紹介された。


  3. 私立獣医科大学協会協議会報告(会長 中村経紀麻布大学長)
    1. 平成9年度私立獣医科大学協会総会の開催について
      6月20、21日の両日にわたり北里大学の当番で、平成9年度私立獣医科大学協会総会が開催され、(1) 獣医学教育のあり方(特に臨床教育の充実に向けての動物病院を中心とした教育・研究体制の整備及び施設の整備)、(2) 10年度各大学の入試日程・入試科目関係、(3) 私費外国人留学生の取扱い、(4) 大学院獣医学研究科の実態調査、(5) 大学院の社会人入学(特に10月入学)等々について検討を行った。
       なお、来年度の当番を酪農学園大学に依頼することになった。

    2. 私立獣医科大学協会による自己点検について
      各大学とも自己点検を行っているが、大学を横断する形で行ってはどうかとの提案があり種々検討した。その結果、協会として今後更に検討を進めることになった。

    3. 大学基準協会における獣医学教育研究委員会の審議の進捗状況について
      赤堀文昭教授(麻布大学)から、獣医学教育研究委員会での審議の進捗状況(特に大学院関係)について報告があった。
      このことは、自己点検・評価と関連する事項であるため、本日の協議会でも検討を行った。

    4. 私立獣医科大学協会会員間の単位互換制度の導入について
      単位互換制度の導入にあたっては、地域(距離間)など、若干の問題はあるが、大学院では単位互換制度の導入は可能ではないか、特に大動物関係の実習では積極的に行ってはどうかとの意見があり、当該問題を協議する委員として、麻布大学の野村教授、日本獣医畜産大学の畑井教授を選出し、協会として積極的に対応していくことで了承された。

    5. 大学院の私費外国人留学生の取扱いについて
      特に、私費外国人留学生については言葉の問題等があるため、各大学での対応状況について情報交換を行った。

    6. その他
      学生による授業評価や大学入試センター試験の導入状況等について情報交換を行った。


  4. その他
    唐木会長から、文部省高等教育局専門教育課に対して獣医学教育の問題点と対策について以下のような説明を行ったことが報告された。
    現在、獣医学科は人気があり優秀な学生が多数入学しているが、教育環境(施設、教員数、講座数等)は外国の大学と比較して不備がある。特に連大参加8大学において改善する必要がある。この状況が続けば、獣医学教育に空洞化が起こり、外国で獣医学を学ぶ、あるいは卒後研修を外国の大学で行うということも現実に起こりかけてくる。
    18歳人口の減少に伴い、大学に進学する学生が少なくなることも、獣医学の人気に影響を与えることが予想される。一方、諸外国では獣医師免許の国際化の動きが進行している。実際に米国とカナダの大学を中心にメキシコ、ブラジルの数大学が参加し、アクレディテーションの制度が動きだしている。また、イギリスを中心とした、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、インド等の大学間やEUでも既にこのような動きがある。今後、日本を含めアジアの国々がこのような動きから取り残される恐れがあり、国際対応に支障をきたす事態が予想される。さらに、輸入食品の安全性の問題、人畜共通伝染病等の国際間に共通する問題で、日本が不利益を被る可能性が考えられる。

    本協議会として、獣医師免許の国際化のメリットとデメリットを早急に調査する必要があるので、本協議会内に小委員会を設置し、小林教授(本協議会副会長、麻布大学)、宮澤助教授(帯広畜産大学)の二人を中心に、必要の場合は委員を追加の上、獣医学関係者とも連絡をとりつつ検討願うことで了承された。小委員会活動に必要な費について、本協議会が調査費等を支出することで了承された。

  5. 協議事項
    全国獣医学関係大学代表者協議会規約の一部改正について
    事務局より新旧対照表に基づき改正事項について説明があり、検討の結果、提示案どおり一部改正案が承認された。
    • 全国獣医学関係大学代表者協議会アンケート調査結果について
      唐木会長から、本協議会が行った標記アンケート調査が別紙配付資料のとおり纏まった旨報告があり、調査の協力方についての謝辞と内容は大変貴重であるので、有効活用してほしい旨の要望があった。
      なお、「教員の点検・評価に関するアンケート結果のまとめ」に基づいて、各項目に問題点(特に、自己評価体制、学生の授業評価等の在り方)等が指摘された。このことに関連して、実際に、学生の授業評価を実施し、結果を公表している大学から、実施状況が報告された。
      唐木会長から、今回の結果を踏まえて、第2回目のアンケートでは、引き続き各大学の実情調査や意見分布調査を行いたいとの提案があり了承された。
    • 獣医学教育の充実について
      獣医学教育の充実について、短期的には近隣大学間の協力、衛星放送教育システムの利活用等が挙げられ、それぞれの現況について関係者から実情が報告された。

    • その他
      1. 教員の流動性を確保をするための情報公開について
        唐木会長から、教員の流動性を確保をするための情報公開について、次のとおり現況が報告された。
        文部省学術情報センター経由で立ち上げている日本獣医学会のホームページの中に「獣医学関係求人欄」を追加し、各大学から別紙配布資料のとおり9件の求人があった。多数のレスポンスが寄せられ、大いに注目されている。今後とも、求人(公募)があれば、フロッピーディスクかEメールで引き続き情報提供願いたい。
      2. 第126回日本獣医学会開催予告について
        種池哲朗教授(酪農学園大学)から、第126回日本獣医学会は、酪農学園大学の主催で、平成10年8月21日から23日までの3日間、酪農学園大学において、ワークショップおよびポスター方式で開催する旨の予告がなされた。
      3. 次回協議会の開催について
        第67回協議会は、平成10年4月4日(土)に開催することになった

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