唐木会長が開会を宣し、直ちに本日の議事に入った。
議 題:日本の獣医学教育の全体像について
唐木会長から、本日の協議内容について、(1)「獣医学教育に関する基準」達成のために各大学は努力をしているところであるが、国立獣医系大学改革の鍵は九州大学獣医学部設置に向けての平成14年度概算要求の成否が握っている。本協議会は全面
的にこの動きを支援したい。(2)再編後の新体制下において各大学が担う獣医学教育 の役割・理念について本協議会の見解を示す。の2点に関し協議したい旨説明があっ
た。
(1)国立獣医系大学の再編について
徳力国公立大学獣医学協議会会長(山口大学)より、本日午前中に開催された「国 公立大学獣医学協議会」における協議について次のとおり報告があった。
昨年10月の国公立大学獣医学協議会において決議された、
@ すべての国立大学が再編に参加する。
A 新しい枠組みを模索する。
B 全国で3〜4校を目指して国立獣医系大学を集約する。
C 西2校の現在の先行再編案を全面的に支援する。
の4項目を次の3項目に変更して、再編を目指すこととした。
@ すべての国立大学の獣医学研究科・獣医学科が再編に参加する。
A 北海道大学、東京大学、九州大学に新しい獣医学研究科・学部の設立を目指す。
B 西2校の現在の先行再編案を全面的に支持する。
以上の報告を受け、種々意見交換があり、本協議会はこの新たな決議を全面的にサ ポートすることとした。
(2)再編後の獣医学教育体制について
唐木会長から、再編後の国公立獣医系4大学の配置が北海道、東京、大阪、福岡と なり、私立5大学は従来どおり北海道、東北、関東に配置されること、また、国公立
大学はいずれも大学院重点化大学となることなども踏まえて、新体制下における各大 学の教育理念や特性、国公立大学と私立大学の役割分担をどうするのかなど、再編後
の日本の獣医学教育の全体像を明らかにすることが求められており、今後、本協議会 での早急な検討が必要である旨の説明があった。
引き続き、高橋 貢 前獣医学研究連絡委員会委員長から、国立獣医系大学再編後
の獣医学教育について説明があった。
この後、各大学からそれぞれの実情を踏まえ、獣医学教育再編に向けての考え方や 対応策についての意見が交換された。その中で、国立大学は再編により設置される3
大学すべてが大学院重点化大学となることについては、現在の獣医学教育施設を最大 限利用することが求められていること、獣医学教育は総合大学で行うことが望ましい
こと、「獣医学教育に関する基準」に示された専門授業科目126単位のうち各大学の 特徴となる専修授業科目は30単位程度であり、重点化大学での教育が他の大学とそれ
ほど大きな違いはないこと、大学院進学者を考えると1000名の卒業生中3割程度が研 究志向であってもよいことなどの理由で、支障はないことも了承された。
以上のまとめとして、次の事項が確認された。
@国立獣医系大学再編に伴い、わが国の獣医学教育のあり方について検討を行う。
A「獣医学教育に関する基準」の達成に向けて、本協議会から私立大学法人本部(理 事長)および大阪府知事に対し要望書を提出する。文案は次回の本協議会にて協議を
行う。
以 上 |