Problem-based Learning (PBL)
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テーマ式授業
 
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PBL(Problem Based Learning)は30年ほど前にカナダで始められた授業形態で「問題解決型授業」のことです。最近、欧米の大学で急速に普及しています。教員はまず学生に課題を出します。このと き幾つかのインストラクションはしますが、あくまで学生が自主的に学習して授業の 準備をします。1つのテーマに対して、幾つかのグループに分かれて作業を分担し、 授業を行いますが、主に学生同士の質疑応答で授業は進行します。教員の発言は10 %以下にするというのが原則です。

ハーバード大学医学部では大部分の講義形態をPBLにするという試みがなされているといいます。他の大学でも、サブの授業として小人数授業にPBLを積極的に取り 入れています。


岐阜大学における新しい授業の試み #2

岐阜大学獣医学科では、昨年に引き続き平成14年10月に臓器別疾患教育の模擬授業を行いました。今回のテーマは消化器系疾患です。模擬授業の概要と評価がまとまりましたので、添付PDFファイルでご報告いたします。本学科では、さらにより良い獣医学教育を目指し、教育改善を図っていきたいと考えております。このためにも、昨年と同様、皆様からの忌憚のないご意見あるいはご批判をお待ちしております。

   PDFファイルです

岐阜大学農学部獣医学科  学科長 小森 成一


岐阜大学における新しい授業の試み #1

岐阜大学獣医学科では、本年1月に「新獣医学教育の理念、理念に基づいたカリキュラム案およびその特徴と解説」を「科研による獣医学教育改善ホームページ」に投稿いたしました。私たちの案の大きな特徴の一つに器官別獣医学教育というのがあります。これまでに、この授業案が現実的かどうかについてのご意見が私どもに寄せられています。そこで、この夏休み(7月12日、13日)を利用しまして、循環器系疾患の模擬授業とその評価を行いましたので、添付PDFファイルでご報告いたします。

添付の内容は、模擬授業概要、評価および資料(授業後の評価アンケートまとめ)です。

   PDFファイルです

これらの結果につきまして、広くご意見をお寄せいただければ幸いです。皆様のご意見を参考にして?より良い獣医学教育構想の構築を目指したいと存じます。

岐阜大学農学部獣医学科  学科長 小森 成一


宮崎大学におけるPBLの試み  フレッシュマン・セミナー  (科研費4斑の報告書より転載)

「宮崎大学における教育研究の改革について(答申)」(平成9年6月)中では、自ら目標を定め、学び、判断できる社会性豊かな人材を育成するための教養科目の一つとして、新入生に対する、全教官による「フレッシュマン・セミナー」の平成10年度からの実施が挙げられている。当学科では、これよりやや早く平成9年度に同年度獣医学科入学生から、次に示す目的で「フレッシュマン・セミナー」に取り組むことを決定し、実施してきた。

1)問題点を自ら見いだす
2)問題点の解決手段を見いだす
3)問題点を解決する
4)発表能力の向上
5)スムーズな会議の進行
6)ディベート能力の向上
7)班学習による班員同志の円滑なコミュニケーション
8)班長制および作業分担によるリーダーシップの向上
9)自分の理解をコミュニケーションや発表などを通して自己点検する。

平成9年度に実施したフレッシュマン・セミナーの概要

教官が提示したテーマ(1回目、血液生理学)および学生自ら設定したテーマ(2回目、甲状腺ホルモン、イヌのフィラリア症など)について班単位(5-6人/班)で3-4週間ほど調査して、調査結果を学生司会者の進行の下に、班代表者、もしくは班員全員が皆の前で発表した。また、各班の発表の後には、全員で総合討論を行った。発表に際しての教官の役割は、議論に参加することのみにした。

平成9年6月25日に一回目を実施した。一回目は、入学後それほど時間がたっていない時期での開催ではあったが、予想外に皆勉強していて、各班が用意してきた資料の総計は100ページ近くにも及んだ。加えて限られた学生ではあったが、積極的に発表に対する質疑応答も行っていた。総ての発表を終えた後の討論会の中では、学生たちが次のような問題点を浮き彫りにした。

1)発表の方法が各班バラバラで理解しづらかった
2)内容が聞き手に立ったものではなかった
3)円滑な進行ではなかった
4)発表時間を守れなかった
5)班活動が形骸化していた(班長がリーダーシップをとれない。発表内容に対して班員全員に共通理解が得られていない。やる人とやらない人の差が大きいなど)。

さらに特筆すべきことには、1)テーマを学生自ら選定する、2)プレゼンテーションを時間内に終了することなどの反省点に対する解決策も講じた。このように、教官の方向付けがあったにせよ、反省点のみならず、解決方法まで学生たちが到達したことより、今回のプログラムは、問題解決能力の向上に向けて機能していると考えた。

2回目は、平成10年1月21日に実施した。先ほど述べたように、2回目には、具体的な目標が掲げられていた。そのために一部の学生ではあるが、発表会が実施されるまでに開催された当学科主催の集談会や卒論発表会などに自発的に参加して、それらを参考に、解決手段の模索につとめる姿勢が見られた。これらの成果は、2回目の実施において、発表内容の要旨集を事前に作成・配布したり、視覚に訴えたりなどの発表方法の工夫などに現れていた。これらの努力により、総ての発表は時間内に終了し、聞き手の理解は一回目より進んでいて、一回目では議論に参加しなかった学生までも討論に参加していた。

このように2回目の実施では、1回目の1)〜4)の反省点は、著しく改善されていた。しかし、この時期にくると、これまでの日本ではトコロテン大学といわれるように、わざわざこんなことを低学年の時期からやらなくても進級できるといった風潮が一部に広がったこと、また、現状の学生は個人主義で、誰かがリーダーシップをとってチーム全体で作業をすることに対して拒否反応があることなどから、前述の5)の反省点に関しては、かえって悪化していたようだった。実際、やる人はやるが、やらない人は受け身で、ただ参加するだけという学生は一回目より増えていた。

今回、問題解決能力の向上を第一の目的として、本プログラムを実施した。紹介してきたように目的の一部は達成されたのではないかと感じている。しかし、他の問題点もクローズアップされた。すなわち、1)チーム作業能力の欠如、2)入学後時間がたつとやる気を失う学生がでてくることなどである。2)の問題点の原因の一つとしては、入学に際しての動機付けが不十分であることが挙げられる。そのため、大学としては、大学における教育内容等を、広く高校へ情報を開示することや、日本のトコロテン大学方式をアメリカのように進級にハードルを設ける式に変更することなどの解決策が考えられる。しかし、社会、中高等教育を含めて、日本の教育システム全体を改善しなければ抜本的に解決するのは難しい。

1)についても、改善することは難しいと思うが、例えば今回のプログラムを用いても、班分け以前に、個人レベルでテーマを選定する作業を行わせて、それを基に学生たち自ら班分けを実施すれば少なからず改善できたのかも知れない。つまりテーマを見つけた学生に、その選定動機などを皆の前でプレゼンテーションさせ、それを聴取した学生が、興味あるテーマごとに集まって班を構成してプログラムを実施するのである。今後の実施に於いては、フレッシュマン・セミナーの具体的な目的(曖昧でなく、かつ宮大独自のもの)を明確にし、それを達成するための有効な手法を吟味して実施する必要がある。


ネバダ大学で実施されているPBLによる「糖尿病」に関する授業の資料です。

Randyという少年が突然具合が悪くなり、病院に駆けつけたところから始まります。その後稟告を取り、種々の生化学検査をして診断・治療をゆく様を回顧し、学生に問題点を悟らせます。

Facilitatorはこの資料を基に学生を指導し、学生自身の講義、そして討論を主体とする授業の構築を手伝うことになります。

PDFファイルです


 PBL リンク (ほんの一例です)
Univ. of Delaware
Maricopa Center for Learning and Instruction (MCLI)
Illinois Mathematics and Science Academy
McMaster University
Samford University
University of Newcastle, Australia
Southern Illinois University School of Medicine Department of Medical Education
Queen's University
Ohio State University
University of Mississippi School of Pharmacy
Cornell University School of Veterinary Medicine
University of Nevada Reno
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