研究・教育姿勢

トレンド 

中心は平滑筋の情報伝達系の研究ですが、血管内皮細胞や筋線維芽細胞も視野に入れた病態研究が柱です。
病態と言えば免疫学(炎症学)を避けては通れません。
   したがって、マクロファージや肥満細胞などの免疫系細胞も研究対象としています。
研究テーマを一言で言うと、「運動機能を持つ細胞(筋系細胞)の病態学」と言えるかもしれません。
薬理学教室である以上、創薬も常に視野に入れています(ここもポイント!)。

ピュアサイエンスを目指して欲しい

学生が大学で出来る研究期間は限られています。
知識としては、幅広い領域に目を向け勉強して欲しいと思いますが、
  研究に関しては、たとえ小さくとも目の前の1つの事象に集中して欲しいと思います。
本当に自分が知りたいことにひたむきに立ち向かう、ピュアサイエンティストであって欲しいのです。
自分の研究がどう世の中に役立つのか、、、、。
  そんなことは後から考えればよい! それは後からついてくるもの!
  少なくとも若い研究者はそれでよいのだと思います。 

  参考 : 真理の探究か、知識の応用か 立花隆

学生は「論文」というゴールに向かってどう対処すべきか


室員全てが研究を責任感をもってしかも楽しんでやる、
  あるいは、1人前の研究者に育てるという観点からは、学部生であろうと、
  1人1人が完全に独立したテーマを持ち、論文を完成させるというポリシーを譲るわけにはいきません。
若い人が歯車となってしまうような、効率第一主義のデータ工場にはしたくありません。
山あり谷ありですが、決して無理をせず、ゆっくり、でも確実に、、、。
各自にあった持続可能(サステイナブル)な方法で、、、、。
個性豊かな自分らしい研究をして下さい。

生物学にはたゆまぬ情熱と向上心が必要です

秀才である必要はありません。
生物学は実験科学であり、実験というプロセスを経て証明するものです。
手を動かして初めて成果を得ることが出来るのです。
良いアイデアは日々の実験の中から必ず出てきます。ひたむきな努力が良い結果を生みます。
失敗を楽しんでほしい、
   失敗の中に新しい発見があるはずです。そして、振り出しに戻る勇気も時に必要です。
そしてもう一つ大事なこと、 それは、「いつも思いこみを取り払って見る」ことです。

生物学には職人的な要素がある

研究では、1つの事象を最も効率的でしかも確かな方法で他人に見せねばなりません。
そのためには、再現性を常に担保する熟練した技術を身につけることが必要です。
生物系の研究室は、その様な技術を具備した職人集団といえるかもしれません。
研究室が力を持ち続けるためには、常に新しい技術を取り入れる意欲と、
   これを
伝承」し持続的なパワーとする努力が求められています。
院生の皆さんには、単に技術を研究室から受け入れるだけではなく、
   研究室には今はない新しい技術を持ち込む
、という役割を担って欲しいと思います。
生物学には、卓越したアイデアも重要ですが、職人的な感性も必要だと思ます

論文を書く、そして常にワンランク上のジャーナルをねらいたい

 
実験を終えた後には論文を書き、これをジャーナルに掲載するという義務が生じます。
   しかし、 これには
かなりのエネルギーを必要とします。
実験の最中は自分中心ですべてを進めることが出来ますが、発表の段階では他者を説得するという新たな要素が入って来る
からです。
ワンモア・フィギュアー・アウトが室員の口癖です。他者をより強く説得する武器となる
のです
向上心がなければ研究者として1人前にはなれません。薬理学のトップジャーナルは、Br J Pharmacol J Pharmacol Exp Ther 、、、
生理学では、 J PhysiolAm J Physiol、、、。生化学では J Biol Chem、、、
でも、 もう一つ上の専門ジャーナル(Circulation Res Gastroenterology など)をねらいたいですね。そして、たまには Nature Science も。
主要なジャーナルに論文が受理されたときの喜びはとても大き
、言葉には言い表せない達成感を得ることが出来ます。

      Biomedical Science分野において「重要な論文」とは
 

 ① 研究内容が真に斬新であること
 ② 生物科学の本質にせまること
 ③ 臨床を含めた他の多くの分野への発展性が見込めること

インパクトファクターについて 

インパクトファクターが個々の論文の価値を決めるものではないことは百も承知ですが、
  現時点では、論文の質を決める唯一の客観的な指標です。
特に若い研究者は、常にハイインパクトファクターの雑誌を目指すべきです。
  ハイランクのジャーナルは、新規性や内容(ストーリー)そして論理性も大事ですが、データの確実性を求めてきます。
  つまり、1つの事柄を幾つのパラメーター(エレガントな)を使って証明できたかということです。
  これを意識することで、他者と競うことを学びます。

研究者をめざす 

獣医学や広く生物学を修めたひとは様々な道を選択することが出来ます。
どれも、社会に役立つことを肌身で実感できるすばらしいものだと思います。
でも、研究者への道はその中でもおすすめです。
もちろん、研究者の世界も人がつくるもの。様々な矛盾や困難はあると思いますが、、、、、。

研究者を目指すからには、必ず学位(博士号)を取得して下さい。
  これは、大学や公的な研究機関だけではなく、企業の研究所においても同じです。
近い将来、論文博士の制度が無くなると言われています。
  制度が変わることによって損をすることのないように、慎重に対処することを勧めます。

 参考 : 獣医薬理学教室における博士号取得の基準(課程博士)  ← このように設定しています