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  このページは自由に意見を述べることの出来る壁新聞のようなものです。 
  記名、匿名、ペンネーム、 所属機関のみなど、どの様なスタイルでも構いません
    (匿名、ペンネームの場合、秘密は厳守します)。mailto:ozaki@mail.vm.a.u-tokyo.ac.jpへお寄せ下さい。
  このホームページの目的にかない、建設的で真摯な議論を前提とするものであれば、
  原則として無修正で掲示します。

メーリングリストに寄せられた意見・質問の一部もこちらに公開しています。以前の記事については、旧ページをご覧下さい。

IINDEX
以下、各項目ごとに掲載した日付順に並べています(新しいものが上)。


獣医学再編

 
教育改革運動の総括と今後 唐木英明 2005-01
文科省協議会の最終回 唐木英明
獣医学教育体制の整備・充実及び学校飼育動物支援体制の整備に向けて  〜河村建夫・文部科学副大臣と五十嵐幸男・日獣会長らとの会談〜
(社) 山口県獣医師会会長  2003.6.23.
 中間 實徳
 

獣医学教育
 
貴HPを拝見したことの感想 高橋賢一  獣医の医療ミス 管理人 2005.05.12 NEW
獣医学科学生からの意見 2004.12.22
 

独立行政
法人

大学評価
 
 
 

その他
 
 
飼育動物の問題 獣医学研究連絡委員会委員長 唐木英明 2003.7.28 
学校動物飼育関するやりとり 2003.7. 唐木、東、中川

2005.05.12

貴HPを拝見したことの感想

はじめてメールいたします。上記題名について趣旨説明を兼ねて意見を述べさせていただきたく思い書いております。

私は一般の飼い主ですが、愛犬を単純な麻酔ミスで亡くしたことを契機に、HP「獣医の医療ミス」を2002年に作成し運営しております。

当初、なぜ愛犬が亡くなったのかの答えを探す目的で始めましたが、調べてゆく過程で実にさまざまな問題と壁が存在することを認識し、愕然とした気持ちを持つに至りました。

医療過誤を経験した際、被害者はその対策を最初に模索します。具体的には事実確認と過失の追求、そして和解などの法廷となります。そうした被害者の方達との意見交換などを通して医療裁判の話題も取り入れました。中でも、スピッツ真依子ちゃん裁 判は画期的な意味を持っています。時代の流れを実感させられた判決内容であると思っています。

(当HP獣医療関連記事ページに記事掲載)
また、獣医療を管轄する農水省の動きはどうなのかも大きな関心事であり、小動物医療班に状況をお尋ねしたところあまり被害報告が上がっていないような回答を頂きました。

(当HP行政の取り組みについてに回答記載)
そのことを残念に思っていましたが、その後第1回、2回小動物獣医療に関する検討会によって問題が公開されはじめたことは新たな動きとして喜ばしく感じています。


さて、現在の小動物臨床の問題を追求してゆくと、そこに至る学生教育とその後の研修制度の課題が大きいと痛感するようになりました。

現在の悪質な獣医師(獣医療)の存在は大きな問題ですが、その獣医師達の存在は現に数年間は続きます。

それよりも、これからの獣医療を担う新たな獣医師を大切に厳しく育ててゆければ結果的に未来への展望が開けます。

この思いから、当HPに新ページ(生涯研修の重要性)を飼い主の意見として作成しました。

作成にあたり、参考資料のひとつとして、貴HPをリンクにお借りしました。

事後になり大変申し訳ありませんが、なにとぞご理解の上ご了承くださいますようにお願いいたします。

リンク場所は2カ所で、
1.生涯研修の重要性(http://dogcat1122.hp.infoseek.co.jp/L19.htm)
2.リンク集(http://dogcat1122.hp.infoseek.co.jp/L3.htm)
獣医学継続教育、専門性などについて
獣医学教育改善ホームページ

です。

私は貴HPを拝見し、獣医師教育事業の不備を知って驚いております。

教育という国家の大事業でありながら、行政は現場の現状を把握しないままなおざりにしていることがよく理解できます。

そして、その改善のために多くの教官が省庁と交渉してきた行動には大変感謝しております。

今後ますますのご活躍を期待しております。

また唐木先生が、以下の獣医師会雑誌において、挫折という言葉を表現なさったことは皆様の大変なご苦労の表れであろうと推察いたしますが、どうか、学生が学ぶ場を 今後とも作り上げてゆかれることを祈願いたします。
  
獣医学教育改革運動の反省と今後
唐木英明(全国大学獣医学関係代表者協議会会長)
URL:http://nichiju.lin.go.jp/mag/05803/06_3.htm

以上、簡単ではありますが、意見を述べさせて頂きました。ありがとうございす。

高橋賢一
獣医の医療ミス 管理人
http://dogcat1122.hp.infoseek.co.jp


 

2004.12.22

獣医学科学生からの意見

今日は。私は某国立大学の獣医学生です。昨今の獣医学教育改善に対する先生方の取り組みを拝見させていただいていますが、どうも真剣味が伝わってきません。ご承知のとうり今の獣医学科の人気はすさまじいものがあります。しかしその人気は先生方が作ったものではないことは明らかです。今が獣医学教育の水準をあげ、欧米に追いつくチャンスなのに人気にうかれてなかなかアクションがとれてないのではないでしょうか?医学部と比較しても入学時の偏差値などはあまり差がないのに基礎系の分野からすでに教育内容に明白な差があるのは明らかです。獣医学科の人気がいつまでも続くなんて思わないで下さい。この期間が最後のチャンスだとおもいます。あと、この問題に対する説明責任をもう少し学生に果たして下さい。学生なので幼稚な文ですみません。失礼します。(匿名希望)


 

2004.7.6

皆さま

昨日、文科省協議会の最終回が開催され、座長私案の改定版が提出されました。最大の変更点は、我々が72名を要求する根拠が記載され、これに対する賛否の意見が記載されたこと、今後の改善の検証・評価する必要性が明記されたことです。

一方、委員の多くから目標と期限を提示すべきとの意見があったにもかかわらず座長は提示しないことを主張し、結局、農学部長会議基本方針について何らかの形で言及すること、数値目標と期限は明記しないが、その理由を明らかにすることなどを改定するという条件で座長一任とし、協議会は終了・解散しました。

今後の課題は、各大学における改善の状況を検証・評価する仕組みをどのように作るのかであり、引き続き文科省との話し合いが必要です。

答申案は近日中に教育改善HPに掲載します。

唐木


2003.7.28 獣医学研究連絡委員会委員長 唐木英明

日本学術会議において、獣医学研究連絡委員会と科学教育研究連絡委員会が協力して作成した「学校における動物飼育に関する提言」はすでに教育完全HPに掲載してあ ります
(http://www.vm.a.u-tokyo.ac.jp/yakuri/kaizen/new-hp/sub-main-files/ref/siiku2003-7.pdf)

本日、坂元科学教育研究連絡委員会委員長と共に文部科学省を訪問し、樋口審議官と大槻教育課程課長にこの提言の内容を詳しく説明し、獣医師側としては全面的な協力を惜しまないことも付け加えました。

審議官は、現行の制度の中でできることを研究し、飼育動物の有効利用にさらに努力したいとの意向を表明されました。

飼育動物の問題は、獣医師と社会とを結ぶ大事な接点ですが、ご存知のように多くの問題も残されています。今後、日本学術会議獣医学研究連絡委員会は、文部科学省と連絡を取りつつ、引き続きこの問題に取り組むつもりです。皆様のご支援とご協力をお願い申し上げます。


2003.7.9.

東先生、

ご丁寧にお返事を頂きありがとうございますちょっと長すぎて申しわけありませんでした。

私たちの課題は、いかに動物の存在が子どもにとって大きな影響をあたえるかを、教育委員会に分からせることです。

今日、ある市で教育委員会と獣医師会が開催した講習会で教員にお話してきましたが、教育委員会が言うことでは、昨年から2回私の話を聞いて、だんだん重要性が分かってきて連携を考えなくてはと思うけど、今まで全くゼロだった件にいくらつけても高いと思ってしまう、と言うことでした。それで、私は、飼育舎にいるものたちは、子どもが心をかけて心配している存在であり、子どもたちの心そのものだと、言ってきました。

動物に予算をかけると思わないで、子どもたちの健全育成のための予算だと思ってくださいと お話しました。 どうなるでしょうか?

それにしても、国があのように思い切った発言をしても、末端まで変わるのはなかなかだとおもいますが、日本学術会議、国立教育政策研究所の方々も働きかけていますし、2,3年まえよりは整ってきたと思います。

またこの2月に国会答弁も出ていますので、しばらくしたら、そのとうりに進んでいるかと、問いただすことができます。

しかし、結局は学校と獣医師との信頼がなければ何も進みませんので、獣医師一人一人の対応が大事になります。その意味で、是非、今度の札幌で私たちの話を聞いて頂 きたく、おねがい申し上げます。

中川 美穂子


東先生、

中川先生のおかげで、飼育動物問題について現場で苦労されている先生方の状況の一端が紹介されたことを感謝しています。獣医学をめぐる社会の情勢や要請を正確に把握して、これに応えることが、教育改善に理解を得るためにも大切なことであり、獣医学教育に飼育動物の課題を取り入れること、文科省や各地の教育委員会に飼育動物の問題についての理解を働きかけることなど、課題はたくさんあります。皆さんのご協力を得て、日本学術会議や全国大学獣医学教育代表者協議会の場でもこの問題の解決に取り組み、少しずつでも前進して行きたいと考えています。

唐木


中川先生

長文の返信、ありがとうございました。

中川先生の奮闘には日頃から敬意をもってる者です。

この問題については、「ペット法学会」や「政令都市および東京都獣医師連絡協議会」など、あらゆる機会を得て多くの情報を取得してきました。

自分も、この一月までは4年間にわたり、札幌小動物獣医師会の会長として、取り組んできました。

この間に感じたことは、我々小動物臨床家が真剣に対応することと比較して、行政の無関心を痛感した次第です。札幌では、診療費を学校に請求したら支払って頂けますが、微々たるものです。

飼育動物が疾病を煩っていても、学校からの診療要請は殆ど無く、児童や父母が来院します。これは、学校が要請しますと市から与えられた予算が減少するからと思います。

与えられている予算は、学校全体に対するものですので、飼育動物にかかる支出を避けたいためと考えられます。

確かに、この問題は一朝一夕で解決されるとは思いません。

これからの我々獣医師の行動が、世間の理解を得るために必要であることは、小生も同意見です。

獣医師関連の団体は、末端の小動物臨床家の意向も汲み取り、対処して頂くことを望みます。

東 勇三


東先生

おっしゃるとおり、学校の嘱託医が無料で奉仕しているわけではなく、しかも学童が診療に来院すれば無料などあり得ないことです。獣医師のみが無料でなにから何まで行う義務はありません。

しかし、問題は、医師は(誰が考えても大事な存在である)子どもを診て、獣医師は動物の医師だと言うことです。

学校では動物の存在意義について、学校にいる動物が子どもの傍で生まれたり死んだりすることが、子どもにいろいろなことを教えると思っていることが多く、弱っても動物の診療の必要を認めていないこともあるのです。

つまり、どのように飼育したら、子どもたちに良い影響があるかなどについては、教師は知らないと言って良いのです。

現在の教員養成課程には、動物の人への影響をふまえた飼育に関する授業はありません。また教育学部は文科系ですから、飼育を理解せず、不得意なまま飼育に関わる教師も多いです。

また、学校は子どもに関わる直接的な費用は惜しみませんが、動物の価値について理解していませんので、10円でさえも動物にかけるなら、わら半紙を買いたいと言います。

教育者が動物の価値を認めていない状況では、私たちが正当な報酬を要求したら、学校はたちどころに動物を追いやるでしょう。実際に獣医師会と連携すると市が打ち出したとたんに飼育をやめた学校もあります。また家畜伝染病予防法にしたがって行政が調査に入ると言うことにも、学校は(立ち入る調査に慣れておらず)負担に思います。それで、動物を飼わない方向に動いている学校も多いようです。

一方、現在の子どもたちの問題は、命が分からない、自己中心である。人とコミュニケーションがとれない、の3点だと国を挙げて心配しています。

私たち、各地で学校に関わっている獣医師は、生き物を扱う者として、この問題の解決に動物飼育が大きな力を発揮するだろうと感じています。それで、子育て中の家庭での飼育率が低下しているなか、学校の飼育を子どもたちの役にたつように、愛情ゆたかに飼育させるように助言、支援したいと思っております。

つまり私たちは無料奉仕を強いられているのではなく、各地で見かねて学校の飼育支援をしてきたわけです。

札幌市は、平成11年から飼育動物に関して、市獣が独自に教育委員会と連携して学校への訪問指導、飼育相談などに応じておられ、また診療に関して学校の動物の診療や去勢事業をやっておられますね。

診療は各獣医師の裁量で行われており、市は請求されたら全額支払うとのことですが、皆様は例年治療実施総額の3分の1程度を請求なさっていると伺っています。これは皆様の動物を思う、そして子どもを思う優しさから行っていることだと理解しております。

しかし、私たちの情熱にも限りがあります。この飼育支援体制がこれからも安定して長く、そして広く行われるためには、行政の経済的援助が必要です。

そして行政の予算を使うためには、社会のコンセンサスが必要です、

この状況を打破するためにはどうするか、

それは、社会への働きかけとともに、教育者に飼育の子どもに与える影響を示し、何故動物を飼育しているか。どのように飼ったら教育的意義が認められるかを、如実に伝えることなのです。

幸い、各地での獣医師の活動を文科省が認め、この5月「自治体は学校と獣医師会とのネットワークを作るように予算的措置を含めて対応せよ」と明記された飼育マニュアル「学校における望ましい動物飼育のあり方」を、全小学校と全小動物臨床の開業の獣医師会員に渡るように配布しました。北海道獣医師会にも担当の獣医師に直接文科省から届けられました。

また、今回、教育の専門家であられる科学教育研連の方々が、獣医学研連と一緒に日本学術会議として提言なさってくださったことは大きな力になります。

これにより、教員養成時に人と動物の関係に関わる飼育の授業がおこなわれ、また現教員向けの研修、それも新人研修に入れるなどの、教育界の動きが出て来るだろうと思います。これには国立教育政策研究所の鳩貝研究官も生命尊重の指導や理科教育の見地からも重要と考え研究報告として教育者に示そうとしています。

今、群馬大学の教育学部で県獣の桑原保光獣医師が、また新潟大学では新潟県獣の宮川保獣医師が、そして武蔵野大學の幼児教育学部、東京学芸大学で私が授業を行っています。これからもすこしづつ増えていくだろうとおもっています。

この問題に獣医師が関わってから、もう4半世紀を迎えようとしていますが?ようやく国が動いてきた所です。これからも全方向に向けて、唐木先生や文科省の方々が働きかけてくださると思います、これにより、各県で行われている各獣医師のご努力が実りますよう、そして各地域で学校と地域獣医師との良い関係を作れますように期待し、皆様のお力添えをお願い申し上げます。

なお、この問題に関して、文科省の指導官が総出で群馬の桑原先生、宮川先生と校長先生方と一緒に作った校長向けの本(鳩貝総括研究官・中川美穂子著編)「学校飼育動物と生命尊重の指導」が教育開発研究所から6月に発行されました。是非、教育委員会に読んでもらって欲しいとおもいます。群馬県獣、新潟県獣は相当数の獣医師に配布したようです。

この夏、札幌市にこの本に関わった国立教育政策研究所の鳩貝総括研究官、群馬県の桑原獣医師、そして私と北海道の田村先生が集まって、獣医師や教育者の方に理解していただくため学校飼育動物講座をひらきますので、ご案内申し上げます。宮川保獣医師も仲間の委員ですので司会いたしまし、各地から担当の獣医師が集まります。

この会で「獣医師会と自治体との連携で行う飼育支援事業は、28県に渡る90事例がある」とか、「その活動内容や予算について」詳しく書いた報告書も配布いたします。 (90事例には県を1例としてありますが、これを市町村に換算すると、全国で獣医師が対応するのは約600自治体になります。最近の獣医師への報酬は、1校6万円の所もあり、県単位で積算すると結構になっている所もあります)

この機会に是非参加してくださり、全国で何が行われているか、何のために行われているか、また、どのように行うのが良いかの、などの情報を共有なさってくださるよう、お願い申し上げます。

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札幌市
日本小動物獣医師会年次大会・札幌 「学校飼育動物市民公開講座」

**未来をになう子どもたちを、情愛豊かに、たくましく育てるために**    

今、動物飼育のたいせつさが再確認され、文部科学省の飼育マニュアル「学校における望ましい動物飼育のあり方」が発行されました。

今回、この問題にくわしい国立教育政策研究所の鳩貝先生と、文科省の飼育マニュアル作りに参加した中川獣医師と、群馬大学で生活科の「動物ふれあい教室」をおしえている桑原獣医師が子どもたちに命を教え、愛情、共感をつちかう飼育の教育への位置づけゆとりのある、学校での動物飼育のあり方、理科・生活科・総合・道徳などの授業への実践、を話します。

  「生命尊重の教育を支える獣医師の役割」

日程:平成15年8月23日(土)・24日(日)
会場:ロイトン札幌( 札幌市中央区北1条西11-1)011-271-2711
       JR 札幌駅下車 徒歩15分 タクシー約5分
時間:午後1時から5時半
内容:
1時10分から2時
 「生命尊重の心を育む学校教育」
    鳩貝太郎 国立教育政策研究所総括研究官
2時〜3時
 「かわいがってこそ子どもを育てる動物たち」
   中川美穂子 日本小動物獣医師会学校飼育動物対策委員会副委員長
3時から4時5分
 飼育実践例:ビデオ「学校飼育動物と子ども」  中川美穂子
4時5分から 4時55分
 「群馬県の学校獣医師制度と動物介在教育の支援について」
  桑原保光 群馬県獣医師会学校動物愛護指導委員会委員長
4時55分から5時5分
 「北海道の学校の動物飼育対策」
   田村誠朗 北海道獣医師会副会長
質疑応答:    
5時半 終了

問い合わせ先:高橋徹 北海道小動物獣医師会長
 011-811-1925 takahashi@takado.co.jp

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日本小動物獣医師会 学校飼育動物対策委員会
 副委員長 中川 美穂子
   TEL 0422-53-7099 FAX0422-56-9086
     m-nakagawa@vet.ne.jp

  「学校飼育動物を考えるページ」公開中
     (学校飼育動物)検索のこと
http://www.vets.ne.jp/~school/pets/
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東 先生

学校飼育動物の支援が、ボランティアではなく、正式に予算をとった形で行われて るところが増えつつありますが、日本学術会議としても獣医師がこの仕事に公式にかかわることができるよう引き続き努力をします。ご支援をお願いします。

唐木英明


学術会議が、このような提言をしていただくことを知り、大変嬉しく思います。

しかし、学校飼育動物の衛生管理は、獣医師のボランティアに依存してるのが現状です。

例えば、学校医なる者は、個人や会のボランティアで、学生児童の衛生管理をされているでしょうか?反面、獣医師の場合は、何かにつけて、予算が無いという口述で無料奉仕を強いられている気がしてなりません。

部分的には、ボランティアでも良いかと思いますが、この点を検討くださることを切望します。

札幌市  東勇三


(社)山口県獣医師会では、月刊の会報を発行しておりますが、この度標記の会談を持ちましたので、下記のような概要を会報7月号に掲載することにしております。
関係者にもお届け致します。  
平成15年6月23日   中間 實徳

獣医学教育体制の整備・充実及び学校飼育動物支援体制の整備に向けて  〜河村建夫・文部科学副大臣と五十嵐幸男・日獣会長らとの会談〜
    
(社) 山口県獣医師会会長  中間 實徳

去る6月18日(水)午後、文部科学省の副大臣室で日本獣医師会の五十嵐会長、辻副会長、大森専務理事、朝日事務局長それに小職が河村文部科学副大臣と会談を持ち、下記のような要請を行った。

この会談については、河村副大臣が山口県選出の衆議院議員であり、また山口県農業共済組合連合会長を務めておられたことから、小職も同共済連の家畜損害評価委員などを長らく務めていて、顔なじみということから、五十嵐会長から是非会談には同席して欲しいとの事であった。

初めに、五十嵐会長から河村副大臣に要請することになった経緯を説明し、「要請書」、「獣医学教育の在り方に関する懇談会の答申」、「学校飼育動物の診療ハンドブック」及び「学校における望ましい動物飼育のあり方」についての資料を手渡して説明を行った。

1. 獣医学教育体制の整備・充実について

大森専務理事:来年度から大学の独立法人化が始まるが、

1) 国指導で獣医系大学の学部への再編を決定していただきたい。西日本については、関係する獣医学科の意向を踏まえ、九州大学に獣医学部を創設していただきたい。
2) 公立・私立大学についても相応の予算措置を講じてもらいたい。少なくとも国家試験の18科目に相当する講座が必要である。

五十嵐会長:平成13年に黒川 清・日本学術会議副会長を座長とする懇談会から「獣医学教育の在り方に関する懇談会の答申」が出されており、この中にも10の国立大学は3ないし4つに統廃合するのが適当だと謳っている。

河村副大臣:面談して正式に聞くのは今回が初めてであるが、文部科学省では今年1月「国立大学における獣医学教育に関する協議会」を発足させ、現在検討中である。江藤代議士からも実現に向けて早急に努力するように言われている。

中間県獣会長:大学の独立法人化に向けて、各学長は特色ある大学をと言って各大学に自助努力で獣医学部を創ると言っておられるが、全国的に大局的見地からみて西日本には九州大学に獣医学部を創るようにしていただきたい。

河村副大臣:国の経済事情から「スクラップ・アンド・ビルド」でないと学部は創れない。

2. 学校飼育動物支援体制の整備について

辻副会長:学校での動物飼育は、子供の情操教育に必要であり、動物の福祉や衛生面を獣医師が指導するように持っていきたい。幾つかの県では予算も付けて積極的にやっているところもあるが、獣医師のボランティア精神でやっていくようにしたい。

大森専務理事:ぜひ教育委員会が主体的役割を果たし、獣医師会との委託契約による学校飼育動物獣医師の委託の仕組み作りを支援していただきたい。

河村副大臣:山口県ではどうか?

中間県獣会長:昨年の山口県自民党政策聴聞会でも、獣医師が学校の先生方に飼育法や衛生面の指導をするようにしたいと説明した。一昨年は県生活衛生課や県教育庁へも行ったが、教育庁では学校長に任せてあるとのことで、消極的であった。

要請の状況は、以上のとおりであったが、最後に文部科学省から「獣医師組織の法人認可の問題については、農林水産省の所管事項であり、文部科学省がコメントする立場にない」との話があった。

最後に河村副大臣と全員が握手を交わし、お礼を述べて副大臣室を辞した。


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