Fund for the Replacement of Animals in Medical Experiments(FRAME)による
科学論文における実験動物取り扱いに関するガイドライン


1.
実験動物の管理および取り扱いは、それぞれの地域において関連するすべての動物福祉法、ガイドラインおよび方針に従わなければならず、またこれを遵守する旨を編集責任者に提示しなければならない。

2.
実験動物を使用する研究は人間、健康、社会全般の利益および基本となる知識の進歩に応用できるものでなければならない。個々の研究が受理されるかどうかは損失便益分析の結果に従うものであり、また受理の判定は編集責任者によってなされるべきである。

3.
動物の使用を一部あるいは全部、数学的モデル、コンピュータシミュレーション、試験管内での生物学的試験などの方法によって置き換えることが可能であれば、これらの代替方法を取るべきである。またこのような代替が不可能な場合は使用する実験動物の数を最小限にし、動物に与える疼痛あるいは苦痛を減らし、科学的な研究目的の達成に矛盾のないようにするべきである。

4.
どのような実験を行うにしても、使用する動物は慎重に選ばなくてはならない;適切な系統で、可能な限り最も知覚能力に乏しい動物種を選択するべきである。

5.
不快、不安、苦痛を最小限にするために適当と思われるあらゆる手段を用い、実験動物の人道的な取り扱いを保証しなくてはならない。人に疼痛や苦痛を引き起こすような実験は動物においても同様な結果となることを、研究者は当然考慮しなければならない。多少なりとも疼痛や苦痛を伴う可能性のある外科的な実験は全て適切な鎮静を施し、無菌的に軽麻酔あるいは麻酔下で行わなければならない。また、十分な術後管理を行うべきである。麻酔をせずに筋弛緩薬のような化学薬品で麻痺させただけの動物で実験を行ってはならない。

6.
動物が重度で慢性的な疼痛や苦痛に苦しみ、これらの苦痛が緩和される可能性がない場合はイギリス内務省のガイドライン、あるいはアメリカ獣医師協会安楽死委員会のガイドラインのような各地域の安楽死に関する規定に従って苦痛を与えずに殺処分すべきである。

7.
実験動物の飼育環境は実験に使用されているかどうかに関わらず、安全で快適なものでなければならない。

8.
獣医師による動物の検診はいつでも行えるようにしておかなければならない。これは実験期間中に必要に応じて獣医師の検診が適正に行われるようにするためである。

9. 9.
研究者および動物の管理と取り扱いを行う全職員は適切な資格を取得し、訓練を受ける必要がある。また、実験を行うために必要な専門技術を持たなければならない。訓練の更新は定期的に行われるべきである。

10.
動物の使用を含む実験計画は、所属機関の動物倫理委員会あるいは同様の委員会、地域の倫理委員会、または適当な資格を有する科学者および一般人からなる団体などによって倫理審査を受けなければならない。実験計画に対する審査方法と結果は編集責任者に通知されなければならない。

11.
性別、種、系統、実験法、微麻酔、麻酔、安楽死、動物が受ける疼痛および苦痛のレベル、各実験に使用される動物の数を投稿論文に明示しなければならない。これらの情報を論文中に明示できない場合は、請求があり次第利用できるように雑誌社に提出するべきである。

12.
苦痛を最小にすることが人道上の最終目標であり、実行されるべきである。これらのことは論文中に記載されるべきである。

13.
上記の原則にはいずれも例外を設ける必要があるが、原則の本質に関わる変更があるときは、実験方法を監督している動物の管理および取り扱いに関する委員会、あるいは法律で定められた団体によって倫理審査を受けなければならない。

原文は以下を参照: http://www.frame-uk.demon.co.uk

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