鳥 取 大 学

2000/9/26 鳥取大学からのメッセージ

鳥取大では、獣医再編問題に関し、残念ながら現時点では農学部の理解・承認は得られていません。しかし、西日本4大学の再編を目指し、若手教官一同による活発な活動が進められています。

現在の獣医再編活動を進める上での理論武装として、特に、学部内の理解を求めるた めの理論的根拠を念頭に以下の2つにまとめました。

1)内的(内からの要望、獣医だけの問題):獣医学教育充実に向けての過去数十年の活動の一環
2)外的(国民の要望、獣医に限らず全専攻分野の問題):大学改革の一環(各専攻分野の評価→再編・淘汰)

このうち、2)は、この1年間に具体的になってきています。

これまで、獣医再編問題は、主に上記1)の問題として扱われ、したがって、各学部内においても、獣医学科および農学部の執行部の諸先生(年輩の先生方)を中心に交 渉が進められてきました。しかし、上記2)は、独立行政法人化に見られるように、これまでの国立大学の組織のあり方が全く変わろうとしている近い将来以降を生き抜いていく、全若手教官が等しく直面する問題です。つまり、現段階の獣医再編活動を進める上で、将来(教育・研究環境の整備および生活も含めて)に大きな影響がある 若手教官(新しい価値観)と影響があまり無い世代の教官(従来の価値観)との交渉 (対決)という点を強調したいと思います。教育充実は「科学技術創造立国」「教育 立国」を標榜する日本・日本国民の願いです。それを背景として確実に進行する評価 →再編という流れの中で、教育の充実は、獣医学という一専攻分野のみの緊急課題で はなく、全分野の若手教官の課題であるということを訴え、若手教官層のエネルギー (危機感)を集結し、各学部内の保守的な教官集団を説得するという地道なしかしス ピードを要する活動が必要です。

まとめますと、現在の獣医再編活動は、
1)獣医学科 対 農学部という視点に加え
2)若手教官層(新しい大学のあり方に直面する) 対 保守的な教官層(従来の大 学環境に埋没)
3)世論(国民の願い) 対 保守的な大学組織 という視点から理解を求め、活動戦略を立てる必要があると思います。

このように考え、鳥取大獣医学科では、執行部の教官による活動に加え、若手教官による1)農学部内の他の学科の若手教官層との継続的な対話、説明会の複数回の開催 、2)教授会(H12.9.18)における、資料(添付書類:獣医再編に関する資料 H12.9.18全)に基づく、獣医学科若手教官一同としての農学部内の全教官への説明(要望)を実施しました。今後も若手教官のエネルギーを集め、粘り強く活動を進める予定です。

資料

獣医再編に関する説明・要望 (H12.9.18)
鳥取大学農学部獣医学科若手教官一同

現在、全国において「科学技術創造立国」「教育立国」を目指す日本における国立大学の再編・統合の動きが明らかとなってきています。別紙(p.2-4)にありますように、本年の春からその傾向が明確となりつつあります。背景に、少子化、行政改革、大学改革、特色化、高度化、国際化等の要因があります。

「評価→再編という社会情勢の中で、各専攻分野の大学教官(大学組織)は評価に耐える教育充実を達成する責任がある」と自覚することが社会から求められています。

獣医学という一専攻分野の担い手である我々獣医学科教官は、国民に対しその責任を強く感じております。

近い将来、獣医学の分野の評価が行われるならば、我々の教育・研究の場である現在の職場が無くなることを真剣に危惧しており、そうなった場合、家族の扶養ができるかどうか心配しています。それが我々若手教官が将来に強い危機感を持っていることの理由です。

獣医学教育充実の方法として、我々獣医系教官は再編を選択しました。その根拠を以下に説明します。

獣医再編に関する説明資料 (H12.9.18)
鳥取大学農学部獣医学科若手教官一同

1)「科学技術創造立国」「教育立国」を目指す日本における国立大学の再編・統合の動き
(別紙参照:新聞報道記録H12.3.21-H12.9.14)

2)獣医学教育充実の方法としての再編の必要性
H12.7 全国獣医系大学の横断的評価開始、現在アンケート結果を集計中。
H12.4 大学評価機関発足、評価開始(理学、医学)
H9.4全国の獣医系大学が獣医学教育充実の方法として再編を選択(国・公立大学獣医学協議会、全国獣医学関係代表者協議会)

他の選択肢の現実性

連携方式:国・公立大学獣医学協議会、全国獣医学関係代表者協議会が再編を選択→連携の相手は無い
 米国における連携方式はもはや危機に瀕している(多額の経費)
 文部省の見解「連携先の大学に教育経費を支払うことは日本ではなじまない」
 連携には基盤となる大きな学部組織(本体)が必要(現在は4校が小さく均等)

自助努力(学部創設を含む):17(国家試験科目)の講座に必要な教官定員51名。現在、10学科目25名。その差26名。純増は不可能。学部内あるいは学部外からの応援(配置替え、講義協力)は困難。

地域性 貢献:世界に通用する高度な技術を持った獣医師の供給

現在:公衆衛生、農林水産業等の分野は各種行政機関(県、国)および農業共済団体(大動物診療)が対応、獣医学系大学の無い都道府県で問題はない

* 獣医系大学の立地条件:診療動物数の確保(教育用症例)
現在:診療動物数の不足(教育に不十分な症例数)

なぜ九州大学か?

4大学の公平性(4大学以外の場所)、教育に必要な診療動物数、アジアの疾病コントロール、獣医学教育に必要な研究基盤(医学、歯学、薬学、理学等)

3)受入先(九州大学)の状況
私的研究会(私的懇談会)開催:第1回H12.6.29(意見交換)→ワーキンググループによる2校先行案(山口大、宮崎大)の作成→第2回H12.9.25予定「2校先行案」の内容について検討の予定
正式な設立準備委員会へ発展の見込み:概算要求案の検討

4)再編に乗り遅れた場合
各専攻分野(獣医学)の評価に基づく淘汰が容易に予想される:上記の(1)参照
獣医連大組織の崩壊が予想される→研究基盤(予算、院生)の弱体化

5)獣医学科の要望
獣医学部設立準備委員会が発足した段階で、再編案に参加することの承認。尚、概算案の内容については別途審議する(宮崎大学)あるいは前向きに検討する(山口大学)。

参考資料:全国の国立大学における再編整備の動き(H12.3.21-H12.9.14)

「評価→再編という社会情勢の中で、各専攻分野の大学教官(大学組織)は評価に耐える教育充実を達成する責任がある」

H12.3.21日本経済新聞
香川大と香川医大の統合構想は、文部省が手取り足取り主導し、外圧から守る「護送船団方式」の時代が終わり、国立大にも生き残りをかけた「再編の波」が押し寄せていることをはっきりと示した。少子化の進行もあって、受験生にアピールする特徴を持たない大学は安閑としていられない。こうした動向を踏まえ、大学の連携や統合で弱点を補い、教育研究の幅を広げて競争力を高めようという動きが、特に単科大を中心に活発になっている。

H12.3.22日本経済新聞
国立大学の法人化の在り方を検討してきた自民党の教育改革実施本部高等教育研究グループ(座長・麻生太郎元経済企画庁長官)は二十二日、「国立大学法人」など大学にふさわしい名称にするとともに、国立大学の再編統合を推進することなどを盛り込んだ最終案をまとめた。二○○二年までに具体的な法人化案を整理し、二○○三年に最終的な結論を出した上で、早急に法人化が実現するよう準備を進めるべきだとしている。

また国立大学の運営を、国の手厚い保護の下の「護送船団方式」から脱却し、競争的な環境に置くためには、国から独立した法人格を与えることの意義は大きいと強調。今後は世界水準の研究を目指したり、有為な人材の育成を重点にするなどさまざまなタイプの大学が併存する形に変え、より大きな自由と責任の下で運営されるべきで、結果によっては選別と淘汰(とうた)も避けられないとした。

その結果予想される国立大学間の再編統合についても、教育研究基盤の強化や、東大を頂点とする大学間の序列意識の解消などのメリットがあると指摘、積極的に推進すべきだとしている。

H12.4.08日本経済新聞
国立大学に再編の波が押し寄せている。文部省は国立大を独立した法人にする方針を固めたが、既に一橋大、東京工業大など分野の違う四大学が連合を結成、総合大学化に向けて動いている。五日には山梨大が山梨医大との合併の方針を決めた。背景に、国際化や少子化による淘汰(とうた)の時代を生き残れるかという大学側の危機感がある。

H12.5.26日本経済新聞
文部省が、国立大学を独立行政法人にする方針を国立大学長会議で正式に表明した。国の行政組織の一部としての位置付けから、独立した法人格を持つ大学になる、というものである。再編・統合についても「大学の自主性を尊重しつつ積極的に再編統合を推進すべきだ」という当初案は「大学の自主性は尊重しつつも、最終的には国の責任において積極的に…」と変わり「国立大学については、国が、その運営や組織編成の在り方に対して相当のかかわりを持つことは当然である」という一文も入った。

H12. 6.30 日本経済新聞 統合に向け協議開始  筑波大と図書館情報大 
茨城県つくば市にある筑波大(北原保雄学長)と図書館情報大(吉田政幸学長)が統合に向けて協議を始めることが、三十日分かった。政府が進める独立行政法人化を前に、国立大の統合構想は山梨大と山梨医大、香川大と香川医大などで明らかになっている。
H12.8.08. 日本経済新聞
少子化の影響で小中学校教員の採用数が減っていることから、文部省は十九日までに教員養成課程がある国立の大学・学部の再編、統合を検討する懇談会を今月末に発足させることを決めた。地域ブロックごとに統合するなどのスリム化案を討議し、来年三月ごろまでにまとめる方針。

H12. 8.25 日本経済新聞
 文相が山梨の2大学視察
大島理森文相は二十五日、国立大学同士の統合を進めている山梨大(甲府市、椎貝博美学長)と山梨医科大(山梨県玉穂町、吉田洋二学長)を視察し、「新しい時代に合わせた大学をつくろうという観点から統合化が行われるなら、支援していくのは当然と思っている」などと述べた。

大島文相は「未来志向の観点から、互いに(統合推進に)合意された勇気と決断に高い評価を申し上げたい」と両大学を評価し「文部省としてもそういうものを考える部屋を作らなければならないと思っており、何らかの形で二○○一年度の予算に要求していきたい」との考えを示した。

H12.8. 31日本経済新聞 8国立医大が統合構想 独立行政法人化で 
政府が進める国立大の独立行政法人化を受け、福井医科大など全国八つの国立医科大を一つの大学法人に統合する構想があることが三十一日明らかになった。

統合によるスケールメリットを生かし、特色ある医療研究、教育を進めるのが狙い。福井医科大によると、構想で浮上しているのは福井医科大のほか、東京医科歯科、島根、高知、大分、浜松の六医科大。このほか西日本の二医科大も検討しているという。

H12.9. 14日本海新聞 首相:国立大再編に積極的な姿勢(全国知事会議)
少子化対策に関連し、森首相は、「国立大学をこんなに網羅する必要があるのか。ブロック事に集約することが大事だ」と述べ、再編に前向きの考えを示した。


2000/3/6 掲載

鳥取大学農学部獣医学科におきましても、再編活動の一環として、平成12年3月2日に以下の文書を学部長に提出しました。

1)要望書(獣医学科)
2)嘆願書(獣医学科若手教官一同、署名、捺印)

 

平成12年3月2日
岩崎正美農学部長殿
獣医学科

要  望  書
―「獣医学部創設案を検討する九州大学総長の私的研究会」への参加に当たって―

 岩崎学部長には、常日頃から西日本4大学による獣医学再編整備運動にご理解をいただき、獣医学科一同感謝しております。最近、この流れに大きな前進がありましたので、ご報告するとともにお願いがあり、要望書を提出いたします。
 従来の経過に付きましては、2月28日に徳力山口大学連合獣医学研究科長から詳細な説明がされましたので割愛し今年になってからの状況をかいつまんで説明いたします。九州大学総長には九州大学内に獣医学部を創設したい旨の意思表明を既にしていましたが、本年1月26日に総長から獣医学部案の検討をしても良い旨の回答があり、これを受けて2月7日に4獣医学科長と徳力研究科長が総長と面談しました。その結果、まず、総長の呼びかけによる私的研究会を作り、検討を開始することになりました。
 今回の研究会は、現時点では九州大学総長の私的な研究会ですが、いずれは九州大学の公式の委員会、たとえば獣医学部設置準備委員会(仮称)、に発展的につながるものと予測しています。当然のことですが、公式の委員会設立の際には、「委員会」に参加する大学の了解が必要になります。鳥取大学獣医学科にもこの研究会に3名の委員を出すよう要請がきています。そこで、「研究会」が発足する前に、かかる性格の会に獣医学科から委員を出すことについて、岩崎農学部長のご理解、ご了解をお願いする次第であります。
以上

 

平成12年2月28日
岩崎正美農学部長殿
鳥取大学農学部獣医学科若手教官一同

嘆願書
獣医学教育充実のための方法としての
西日本4大学獣医学科による再編整備(九州大学への新学部設置)について

 海外伝染病予防や食品安全などの公衆衛生、伴侶動物の高度医療、野生動物をモニターとする地球環境保護、動物福祉等にも獣医師の職域が広がりつつあり、国際的にも通用する獣医師が社会的にも要請されています。ところが、我が国における獣医学科の規模の現状は、一部を除き、国家試験科目を担当する講座(学科目)(生化学、臨床繁殖学、寄生虫学、魚病学、放射線学、毒性学、伝染病学など)が充足されておらず、非常勤講師による集中講義で不十分ながら補われています。今後は、定員削減によりさらに困難な状態に至ると予想されます。また、大学基準協会に示された獣医学教育に必要な教官数、設備、施設などの最低限の基準(学生60名に対し教員72名以上)を達成するよう努力が要求されています。今後は、大学改革の理念に基づき、各学科および専攻分野が横断的に厳しく評価され、基準に満たない教育組織の統廃合(リストラクチャリング)や予算の傾斜配分等の厳しい措置がとられることが予想されています。
 これまで、獣医学教育充実の方法として、当該大学内での拡充、分校制による連携、単科大学設立等を検討してきましたが、少子化や行政改革の環境下ではいずれも実現が困難であり、西日本4大学獣医学科による再編整備の可能性を全国的活動の一環として模索してきました。4大学の公平を期すために4大学以外の大学に再編の場を実現することを原則とし、新設置学部の特色(アジア地域での動物疾病のコントロールに貢献)を想定しアジアに近いこと、また、4大学のほぼ中間地点であること等を考慮し、九州大学を再編の場として計画しています。地域性も考慮し、産業動物臨床教育センター(南九州)、中四国サブセンター(鳥取)の設置も組織案として具体的に検討しています。
 世界標準レベルの獣医学教育が実現するならば、獣医師の社会的地位の向上、世界標準化の動きの中での海外に通用する獣医師資格や卒後教育の充実等が可能となり、卒業生および現在・今後の獣医学専攻学生にとって大きな恩恵が期待できます。また、レベルの高い獣医学に裏付けられた社会へのサービスが期待され、それにより真に地域・社会全体に貢献できるものと考えています。もはや個々の大学の教官の問題でなく、日本の獣医学全体の問題としてとらえています。
 この度、九州大学内に新学部設置を検討するための研究会(九大総長による私的研究会)を発足することが九大総長より提案されました。これまで3年間続けられてきた西日本4大学再編整備検討委員会は、本研究会に移されることも検討されています。従いまして、本研究会に参加しない場合、再編による獣医学教育充実のための機会が失われてしまうと危惧しております。
 本研究会へ参加し九州大学での新学部設置の可能性を検討することのご理解をいただけるようここに嘆願するものであります。


1999/12/15 掲載

99/10/31

農学部獣医学科家畜病理学教室教授
島田章則                   

再編の動き:獣医再編問題の正しい理解を求めて  

同窓会報に「再編の動き」について寄稿する機会をいただき心からお礼申し上げます。獣医学科再編ワーキング委員長の立場から、説明させていただきます。

はじめに

 日本の獣医学教育の内容に責任を有するのは大学教官です。獣医学教育の内容・水準について検討する全国的組織として国公立大学獣医学協議会があります。国公立大学獣医学協議会は、獣医学教育が破綻の危機にあることから、全国的な再編による一定の規模を確保する以外には獣医学教育を充実する方法が無いと判断し、全国的な再編運動を進めています(鳥取大学獣医学科が独自に行っている運動ではありません)。しかし、一部の大学を除き、地元(地域や所属大学、学部)の理解が得られていない状況です。再編運動を進めるに当たり、理解を求めるためのプロセスが必ずしも十分では無かったことがその原因の一つと思われます。

獣医再編をめざす理由・背景

1)発展途上国よりも貧弱な現教育組織、国内の大学間の教育環境・規模の不均衡
a. 規模:我が国における獣医学科の規模の現状は、一部を除き、国家試験科目を担当する講座(学科目)(生化学、寄生虫学等)が充足されておらず、集中講義で不十分ながら補い、学生から不満の声があります。同じ授業料にもかかわらず、60名近い教官による教育と25名程の教官による教育体制という不均衡があります。しかも、平成13年度から定員削減(10%) がさらに進行します。大学基準協会では「72名以上の教官の規模」を求めています。
b. 教育内容の多様化、高度化 高度医療、地球環境保護、動物福祉等にも獣医師へのニーズが広がりつつあり、国際的にも通用する獣医師が社会的にも要請されています。

2)国立大学始まって以来の大改革の進行  
  国際化、高齢化、低経済成長、少子化等を背景に、日本は「科学技術創造立国」を国際社会における生きる道とし、それを受けて大学改革・学術審議会答申がなされ、教育の専門化、高度化、特色化が求められています。さらに、行政改革が進行中であり、公務員数の大幅削減ならびに独立行政法人化の問題が迫っています。来年から第3者評価機関が発足し、全国の大学、学部、学科、専攻分野(獣医学)の内容が横断的に評価され、研究教育費の傾斜配分が厳正に行われます。受験者による大学評価による大学の序列化、差別化、淘汰が進みます。その結果、大学は、教養大学、地域の生涯教育大学、重点化された研究大学、専門技術者養成大学等に序列化されます。このように、日本の国立大学においては、大学始まって以来の大改革が行われようとしています。鳥取大学獣医学科の、専門技術者養成(獣医師養成)組織としての存続が可能かどうか私達は危機感を持っています。それが再編運動を進めることの大きな理由です。

再編運動の現在の状況

 獣医学教育充実の方法の選択肢として、ア)当該大学内での自助努力、イ) 帯広畜産大学、岩手大学等の東の4校ならびに鳥取大学、山口大学、宮崎大学および鹿児島大学の西の4校による再編(新学部設置あるいは分校制)、ウ)単科大学の設置等があります。大学を取りまく現在の状況(定員削減)から、再編による新学部設置案を進めています(国公立大学獣医学協議会)。
  全国的な展開:日本獣医師会、日本学術会議獣医学研究連絡委員会、全国獣医学関係大学代表者協議会が一致して、再編を含む獣医学教育組織の充実を文部省に要請しています。 山口大学および宮崎大学の現状:4大学が参加して再編の共同歩調を取ることの了承を学部教授会より得て、他大学の参加を待っています。4大学の公平を期すために4大学以外の大学に再編の場を実現することを原則とし、九州大学を再編の場として計画しています。

終わりに

 世界標準化が進行する中で、世界のレベルの獣医学教育を受けた獣医師を養成することで、国および地域に真に貢献できると第一義的に考えています(獣医師の地位向上が期待でき既卒者にこそ恩恵がある)。とはいえ、眼に見える形での地域貢献も模索しており、4大学再編案(組織)には、中国地区での診療サブセンター構想も含めています。また、その他の方法もないかどうか検討しているところです(学科内でワーキンググループを立ち上げ、共済組織等との連携等を模索しています)。  地域との意見交換を促進するため、全国レベルおよび鳥大獣医学科内の公式な情報をリアルタイムで開示し(電子メール、ホームページ http://jvm2.vm.a.u-tokyo.ac.jp/Kaken/Home.htm等)、また、地域の声を汲み上げ問題点を十分に検討し、獣医学教育充実のための最良の方法を模索したいと思います。大学(専攻分野)評価を受けての最悪のシナリオを避けるための具体的方法について同窓の皆様からのご意見ご支援をいただければ幸いです。

鳥取大学農学部獣医学科同窓会会報(第37号)原稿

 


 

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