東 京 農 工 大 学

2000/5/2掲載

東京農工大学における「日本の農学教育の現状と21世紀におけるあり方ーパート2」  

農工大学では、1月28日の一回目の上記のタイトルでの講演会に続いて、2回目の講演会を内容および視点を変えて開催いたしました。 後援会の内容は以下の如くです。

     日時:平成12年4月24日(月) 午後3時〜5時
     場所:東京農工大学農学部講堂
    講演内容: 15:00〜16:00 「日本の農学部と農学教育のありかた」
             講師;林 良博先生(東京大学農学部長)        
            16:00〜17:00 「国立獣医系大学再編の現状と展望」
             講師;唐木英明先生(東京大学教授、全国獣医学関係大学代表者協議会会長)  

 当日は、獣医学科主任の司会で、先ず上原農学部長の挨拶で始まり、次いで世話人代表として組織整備委員長の生原喜久雄先生に本後援会の主旨について説明していただき、各講師の先生のご紹介のもと講演に入りました。

 林先生には、農学が見直されている。21世紀は工学を農学化する時代である。東大農学部の進学者のうち第一志望者の割合に関して、10年前はl割程度であったが、咋年は全員となった。大学の研究活動の評価基準の一つとして公表論文数について、生命科学を含む農学部の公表論文数は過去と比較すると8倍に増加していることが、農学部の評価上昇に繋がっている。
 21世紀の大学のあり方について、独立行政法人化をうけて、
 1)リベラルアーツ大学または専門大学に2分化する
 2)研究中心まtは教育中心大学に2分化する
 3)大学の自律性確保のために経営能力を強化する必要がある
 4)教育研究評価基準の多元化の必要性がある  
 さらに、21世紀の農学部のあり方について、地域対応型または分野対応型に2分化するので、大学間で協力しながら、個性化を計る必要性がある。スケールメリットの出しやすい総合大学に統合することにより、個性化が実現しやすくなる。しかし、地域的・分野的に近い大学間ほど統合を阻害する要因が強くなり、統合の実現にはかなり困難を伴うことなどが指摘された。

 次いで、唐木先生には、ビデオプロゼエクターの美しい絵を見ながら、日本の獣医学教育の置かれた立場について、外国は勿論のこと、医学や他分野の領域との比較において、如何に我が国における獣医学教育が遅れを取っているかを詳細に説明を受けた。そのような状況が続くと日本は何かにつけて問題が生じ、世界的にも孤立する。さらに、それにはどのようにしたら良いかの対策についても、具体的な案も提示していただき、それらの改善案に対しては何が障害となっているかについても非常に具体的に分かり易く説明があった。

 当日は、月曜日という日にもかかわらず、教官を始め事務系の人、さらに大学院生と約80名の出席のもと講演会が開催され、非常に有意義な時間が持てました。特に、他学科の教官には、かなり強烈な印象が有ったようであり、何故に獣医学教育の充実が急務であるか、多くの理解が得られたと思われた。本講演会は、獣医学科の先生の殆どが出席していたが、獣医学科の教官にとっても大いに考えを新たにするものが有ったと思われた。機会が有れば、また引き続いての講演会を開催し、その時の状況を的確に把握することが必要であると再認識した次第である。  


東京農工大学における「日本の農業教育の現状と21世紀におけるあり方」の講演会

平成12年1月28日(金)午後3:00より東京農工大学農学部において「日本の農 業教育の現状と21世紀におけるあり方」というタイトルで、以下の御二人の講師の先 生をお招きして開催し致しましたところ、教官、事務、大学院生を含めて74名という多数の出席を頂きました。

修了後は活発な質疑等もあり、有意義な時間を持つことが出来ました。 皆様のご協力に感謝申し上げます。こゝに報告させて頂きます。           

「日本の農学教育の現状と21世紀におけるあり方」

日  時 :平成12年1月28日(金)      午後3時〜午後5時

場  所 :東京農工大学農学部講堂

  15:00〜16:00    「日本の獣医学教育と畜産教育の現状と将来」
               講師:徳力幹彦 先生(山口大学教授) (国公立大学獣医学協議会 会長)

   16:00〜17:00   「大学の独立行政法人化と農学の現状と将来」    
               講師:小林正彦 先生(東京大学副学長)

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