【スタッフ】
教授:佐々木 伸雄
助教授:西村 亮平
助手:
技官:近藤 東一郎
【関連学会】
獣医麻酔学会
1.脳腫瘍(悪性髄膜腫)の犬のMRI像。治療前(左)と治療後(右)

2.手術成功でガッツポーズ!!
Photo Gallary
【主要な研究テーマ】
麻酔、鎮痛に関する研究
●腫瘍の転移と分化誘導療法に関する研究
●変形性間接症の発生機序と治療に関する研究
獣医外科学教室は臨床講座であり、その活動は家畜病院(動物医療センター)における診療とそれに関連する研究の2つに大別することができます。 
 当教室は高度医療科学研究室とともに動物医療センター外科系診療所として、年間約1500頭の患畜の診療をおこなっており、手術件数は700頭にのぼります(1998年度のデータ)。ほとんどが犬と猫ですが、牛や馬はもちろん、最近増えてきたエキゾチックペットも診療の対象です。外科学と言うと手術ばかりがイメージされがちですが、実際には手術を行なうための麻酔、さらには手術前の診断、手術後の管理などもそれ以上に重要です。手術以外の治療オプションも必ず考慮しなければなりません。技術ばかりでなく広い知識も必要とされる、まさに応用獣医学実践の場と言えるでしょう。日常の診療活動は教官、研究生、院生が中心となって行われていますが、学部生も積極的に参加することを望みます。
 研究活動も麻酔、腫瘍疾患、関節疾患などやはり臨床に密接したテーマを扱っています。手術には不可欠な麻酔と鎮痛法について、さまざまな新しい薬剤とその組み合わせを検討し、より安全かつ確実な方法を模索しています。また手術患畜の半数を占める腫瘍疾患に関しては、臨床例から得られた培養細胞株等を利用して、転移機構の解明や新しい治療法の検討を行っています。整形外科領域では、人でも動物でも増加している骨関節症について羊を用いた疾患モデルを外科的に作出し、発生機序や治療について研究を進めています。臨床からの発想を活かした研究デザインと、研究結果が速やかに臨床の現場へフィードバックされることが、当研究室の特徴と言えるでしょう。
【学生の声】
「体力に自信はありますか?」
 確か外科学教室に入室希望を出した際初めに聞かれた質問がこれだったような気がする。
 「それはもう」変なことを聞くなと思いながらも私はにっこり笑って答え、そして入室を許可された。それから数ヶ月、私の目の下にはくまができていた。少々大げさではあるが、本当に忙しいところである。フルに臨床に参加するとなれば授業の時間以外は何かしら研究室でやることがある。診療や入院家畜の処置の補助、ゼミや実験など。余った時間で勉強、飲み、アルバイトなどをこなさなくてはならない。まさに体力勝負である。また外科といえばチームワークも大切である。手術や処置は一人ではできない。うまくチームワークをとって仕事をしなければ日が暮れてしまう。頭のできははじめからあるにこしたことはないが、なくても外科学自体に興味を持っていればたいていは後からいくらでもついてくるものである。あまり心配しなくても良い。外科学は大変奥が深く難しい学問であるが、それゆえ本当に面白い。体力に自信があり人と動物が好きな人、ウェルカム!(大学院4年)