【スタッフ】

教 授:熊谷 進
助教授:伊藤 喜久治
助 手:平山 和宏

【関連学会】
日本実験動物学会
日本食品微生物学会
日本ビフィズス菌センター
日本無菌生物学会
日本細菌学会
日本消化器癌発生学会
獣医疫学会
日本食品衛生学会
マイコトキシン研究会
Photo Gallary
【主要な研究テーマ】
●食中毒細菌の増殖と死滅に関与する因子の研究
●マイコトキシンの毒性発現機序の研究
●腸内フローラを用いた病原体補遺除法、発癌予防の研究
●Probiotics、Prebiotics、Biogenicsの有効性の研究
●嫌気性菌の遺伝子レベルでの分類の研究
●カンピロバクターの生態、病原因子、抗菌剤耐性メカニズムの研究
獣医公衆衛生学は予防医学、予防獣医学という基礎から応用まで、家畜、愛玩動物、実験動物、人までも含めた幅広い範囲を対象にした研究分野です。主なテーマは食中毒、マイコトキシン、ズーノーシス、腸内フローラのコントロールの研究です。
 細菌性食中毒を防除するためには、腸管出血性大腸菌やサルモネラなどの食中毒菌をコントロールすることが必要です。その方法を見いだすためには、これら細菌の増殖と死滅に及ぼす温度やpHなどの影響とその機構を明らかにしなければなりません。この研究を細胞や分子レベルで進めています。
 カビが産生するマイコトキシンは、癌などの慢性疾患を引き起こす食品の毒性影響とその機序を、動物個体や細胞を用いて追求しています。
 腸内フローラは、腸管に生息する細菌の集団で、動物の体内にある外的環境ですが、臓器のひとつと考えられるほど生体に大きな家鏡を与えています。しかも、あるときは生体に有益に、またあるときは有害にはたらきます。この腸内フローラと栄養、腸内代謝、免疫、発ガン、成人病、感染症などとの関係を研究し、人や動物に有益な状態に腸内フローラをコントロールすることを目標にしています。
 カンピロバクターはズーノーシスとして食中毒細菌として重要ですが、その生態、病原因子、感染様式、抗菌剤耐性メカニズムなどよく分かっていません。これらを解決して感染予防に役立つ研究を行っています。
【学生の声】
 獣医公衆衛生学は、人と動物の全てを対象とした分野です。研究室に入ってまず最初に行うことは、自分のおなかの中を調べることです。どういうふうにやるかは入ってからのお楽しみです。おなかの中に納豆金を飼っている人、怪しい菌を飼っている人など様々です。これをクリアーすると、今度はそれぞれ自分の研究テーマを持つことになります。がんばり次第でいくらでも先に進められます。
 ある程度進むと、学会発表をしてまたひとつ賢くなって次のステップに進むことになります。教官は一見恐そうですが、人情深くてとても学生思いで優しい先生です。女性が多い部屋ですが、優しいおねえさんばかりでかわいがってもらえます。
 就職は、民間や公務員など様々です。就職の際に行政職も研究職も、公衆衛生を学んできたことが非常に有利であることは間違いないと実感しました。人間が生きている限り、公衆衛生は非常に重要な分野です。また。この分野で獣医師をして活躍できる分野はとても広いです。好奇心旺盛な若者のみなさま、一緒に頑張っていきましょう。