HOME > 専攻紹介 > 動獣医学専攻 > 比較動物医科学講座> 獣医公衆衛生学研究室

専攻紹介

研究室のホームページへ獣医公衆衛生学研究室
Laboratory of Veterinary Public Health

【スタッフ】

教授 山田 章雄
准教授 平山 和宏
助教 堀田こずえ

【関連学会】

  • 日本獣医学会
  • 日本獣医公衆衛生学会
  • 日本ウイルス学会
  • 日本細菌学会
  • 日本実験動物学会
  • 日本感染症学会
  • 日本ビフィズス菌センター
  • 日本無菌生物学会
  • American Society for Microbiology
  • The New York Academy of Science

【主要な研究テーマ】

  • 人獣共通感染症に関する研究
  • 腸内菌叢による腸管出血性大腸菌感染防御機構の研究
  • 腸管系ウイルス感染における腸内菌叢の役割の研究
  • 腸内菌叢や食餌成分が宿主の免疫に与える影響の研究
  • ヒトや家畜の腸内の食中毒細菌の制御の研究
  • プロバイオティクス、プレバイオティクス、バイオジェニックスの有効性の研究
  • 無菌動物技術を用いたヒトの腸内菌叢の代謝や役割の研究

  獣医公衆衛生学は人獣共通感染症や食中毒の制御といった疾病のコントロールだけでなく、食品衛生を含めた予防医学や予防獣医学からヒトの健康の増進や家畜からの病原体の排除などまでも含む幅広い研究分野です。その対象もヒトや愛玩動物、産業動物はもとより、実験動物や野生動物、食品や環境などきわめて多岐にわたります。
  当研究室では、食中毒や食品由来感染症をコントロールするための手段を、病原菌の増殖や死滅影響をおよぼす因子や環境条件の解明、病原体がヒトや動物で病態を引き起こすための要因の解析、家畜や食品から病原体を排除する方法の検討、など様々な方向から探っています。また、人獣共通感染症のコントロールに関する研究もおこないます。
  例えば、腸管出血性大腸菌O157:H7は重要な食中毒細菌ですが、その感染の成立や病態には個人差があります。その要因の一つが我々の腸内に常在する腸内菌叢(マイクロバイオーム)であり、健全な腸内菌叢を維持することで感染や発症を防御しようという研究を、その詳細なメカニズムの解析も含めておこなっています。
  近年では、細菌感染だけでなくウイルス感染においても腸内菌叢が大きく関与していることが報告されています。その影響は感染を促進する場合も抑制する場合もあるようです。我々の研究室でも、腸炎ウイルスの感染成立において腸内菌叢がどのような役割を果たしているのかについての研究を始めています。
  家畜や食品から病原菌を排除できれば、食中毒の心配のない食品を提供することができます。しかし、そのために抗生物質などの薬剤を使用すれば耐性菌などの新たな問題が発生します。そこで、当研究室ではプロバイオティクスなどを用いて薬剤によらない病原菌の制御を目指しています。
  腸内菌叢は宿主自身の体細胞をはるかに超える数の菌からなり、宿主の健康や病態に密接な関わりを持っています。我々のおこなっている腸内菌叢の研究は、病気の予防や健康の増進に役立っています。近年では、正常な免疫の発達に腸内菌叢が不可欠であることもわかってきており、腸内菌と免疫の関係に関する研究も進めています。
  このような様々な研究を、細菌学、ウイルス学、免疫学、分子生物学などの多様な手法を用い、学内外との研究者とも連携を取りながらおこなっています。また、無菌マウスを使用することができるのも当研究室の特徴の一つです。


ヒト糞便中の腸内細菌の電子顕微鏡写真

カイワレ大根の表面で増殖した腸管出血性大腸菌O157:H7の電子顕微鏡写真

【学生の声】

獣医公衆衛生学は、ヒトと動物の全てを対象とした分野です。研究テーマは様々ですが、それが決まる前にまず細菌の取扱いの練習をかねて自分のおなかの中の細菌がどうなっているかを調べることが出来ます。どういうふうにやるかは来てからのお楽しみですが、うっかり納豆を食べてしまって大量の納豆菌に悩む人、怪しい菌を飼っている人など様々です。研究がある程度進むと、学会発表をしてまたひとつ賢くなって次のステップに進むことになります。指導してくださる教官陣は一見恐そうですが、人情深くてとても学生思いで優しい方々です。研究室の雰囲気はといいますと、非常に落ち着いているという言葉がピッタリでしょう。
OB/OGの就職先は、民間では製薬・食品、公務員では中央・地方など多岐にわたっています。就職の際に行政職も研究職も、公衆衛生を学んできたことが非常に有利であることは間違いないとのこと。人間が生きている限り、公衆衛生は非常に重要な分野です。また、この分野で獣医師として活躍できる場はとても多いのです。好奇心旺盛な若者のみなさま、一緒に頑張っていきましょう。